16年間で1万人以上の悩み相談にのってきたシャーマンが脳科学・心理学・スピリチュアルな世界の真理をベースにお届けする、魂のミッションを生きるためのロードマップ

14日間で「幸運体質」を作る無料メールレッスン

シャーマンへの道「16 『それ』の本当の意味」

 
この記事を書いている人 - WRITER -
脳科学と心理学に精通し、16年間で1万人以上の相談にのってきたシャーマン。「信じる力は、世界を変える」がモットー。自分自身を信じる力・愛を受け取る力を育てる方法、激動の時代を乗り切る極意を教えている。 著書「なぜ眠り姫は海で目覚めるのか? 超ネガティブ思考を解除する3つのメソッド
詳しいプロフィールはこちら

 そもそも『それ』とはなんだろう?
 

 物語のネタを探すために宮古島に行き、そこで白龍=素沙王と出会い、それまで自分の信じていた世界観が崩壊した。このとき40歳の誕生日を迎えて、あらためて自分とは何者かを突きつけられたと言ってもいいし、生きる意味の再定義づけが始まったと言ってもいい。
 

 白龍に出会っていちばん大きかったのは、自分の中に無条件の愛を差し出す勇気と力があると知ったことだ。
 観照、行動、結果、手ごたえ、変容の繰り返しの中で自分自身に対する信頼が生まれ、そのベースがあったから自分の枠を超えた未知の領域に踏み込む覚悟が決まった。
 

 実際に踏み出してみると、新しい領域は不安と恐怖がいっぱいで、先に進むためには自分がそれまで頑なに隠して、それこそなかったことにしてきた感情や思考パターンと真正面からいやというほど向き合うはめになった。
 

 毎回神事が始まる前には必ず自分自身のネガティブな感情や心の傷と向きあうような出来事が起きる。
 そのたびに心が折れそうになりながら、フォーカシングをして徹底的に自分と向き合う
 するとネガティブな志向性を持つ感情や思考パターン、過去の傷が癒えて、そんな自分の一部を愛しく思えるようになってくる。
 

 ひとつの課題をクリアすると、ようやく神事ができる精神状態になる。
 じつは神事に至るまでの当人の心の葛藤や課題をクリアするプロセスそのものが神事であり、実際に現場で執り行う儀式は最後の仕上げにすぎない。
 神事の99パーセントはそのプロセスにありなのだ。
 ちょうど正月を迎えるために年末から大掃除をするなどの準備をしてきて、家がきれいになったら最後に鏡餅を飾り、最後の最後にちょこんと鏡餅の上にミカンを置くようなものだ。
 このミカンを置く行為が神事というわけだ。
 

 わたしの場合も神社での神事をとおして神とひとつになる、結界を張るといった作業をしてきたが、それ以上に自分自身の内側を観ることが最重要課題だった。自分の内側を観ることによって、自分の中にあるエネルギーが変化し、結果的にその時点での自分に見合った次元のチャクラがひらく。それらの積み重ねが神事の結果として場に力を与え、物理現象を引き起こす。
 

 サイコシンセシス(統合心理学)では人間の無意識の領域は上位無意識・中位無意識・下位無意識からなっており、下位無意識は不安や恐怖、怒りや悲しみなどの原初的で生命力に満ちた感情がストックされていると考える。
「10 心の暗黒面とフォーカシング」」でも書いたとおり、下位無意識にある自分の認めたくない側面を自分と切り離した状態でいるとき、切り離された自分の一部はさまざまな形で現実に影響を与える。
 黒龍は極端な例だが、とてもわかりやすい。
 黒龍はわたしの下位無意識の中にある個人的な怒り・悲しみ・恐怖から生まれる破壊願望の実体化した姿であり、同時に人類の集合無意識にストックされている破壊願望の実体化した姿でもあるのだ。
 

 黒龍が無意識の実体化したものに過ぎないなら現実世界への影響力はないように思えるかもしれないが、そんなことはない。
 個人の無意識は当人の人生をよくも悪くも作り上げてゆく圧倒的な力を持っている。
 黒龍に象徴される原初的な無意識のエネルギーは人類共通の集合無意識と繋がり、さらに目に見えない自然エネルギーとも繋がり、地震をはじめとした天災を起こす。
 

 黒龍に象徴されるテーマはチャクラでいうと無意識を司る第二チャクラだ。
 自分自身と向き合うことで、わたし自身の無意識にストックされている「居なかったことにされたわたしの一部」を受け入れて癒し、自分の大切な一部として統合した結果が第二チャクラの覚醒でもあり、赤龍と緑龍という深い愛と信頼のエネルギーを持つ双龍への変容でもあるわけだ。
 あのとき二体の龍はまるで陰陽和合を表す大極図のように見えた。
 

 これはわたし個人の変容だが、同時に全体と切り離して考えることはできない。
 なぜなら個人の無意識は集合無意識をとおして他者ともつながっているため、個人の変容は人類の集合無意識の変容を引き起こす
 それが神事の本質なのだ。
 自ら変わらなければ大いなる力は動かない。
 

 『それ』の起動はこうした個人の変容をベースとした神事の積み重ねの結果だ。
 あらためて冒頭の質問に答えるなら、『それ』とは自分自身を受け入れ統合してゆく過程で起きるきわめて個人的な霊的ジャンプだ。結果として自分が愛されていること、守られていること、大いなる力の一部であることを実感して、この世界を信頼できるようになって、より自由な精神を獲得する。
 もちろんそこで終わりではないのは言うまでもない。
 

 唐突だがロッククライミングでは、それまで誰も走破することのできなかったコースを実力のある選手がやっとの思いで走破すると、不思議なことにその選手に教えを請わなくても普通のひとたちが次々と登れるようになるという話を聞いたことがある。
 この話を聞いたとき、えらく合点がいった。集合無意識の領域でその新しいルートが共有されるため、誰でもその場に行くとそれを引き出すことができるようになるのかもしれない。
 

 『それ』は個人の心の変容だけではなく、ポイントとなる土地と強く結びついている。
 『それ』を作ったと書いたが、あのときそれぞれのポイントとなる場所には最初から自然神である龍神が封印されていた。
 だから正確にいうと、古代に作られて長いこと封印されていたものを起動しただけだ。
 

 その結果、ロッククライミングの例と同じで、自分と向き合い始めたひとが集合無意識にストックされている『それ』のひな形からその叡智を受けとり、さらなる進化を続け、その進化が『それ』にフィードバックされて、また別の誰かがその叡智を受け取ってゆくといった具合に永遠にアップデートしてゆくのだろう。もう『それ』というコードネームさえいらない。
 

 たったひとりの救世主が現れて世界を変えるわけではない。
 それぞれが自分自身の生きづらさと向き合い、それを受け入れ癒してゆくことで、地球の反対側に住む出会ったことのない誰かの心を知らずに救っているのだ。
 

 すべてのひとがそれぞれのテーマを担いながら、地道に内なる進化と変容を続けてゆくことで、その記憶が集合無意識にストックされて、見ず知らずの誰かを救う。
 わたしも何度もそんなふうに助けられた。
 それがトータルとしての人類の進化だろう。

 『それ』のことがあってから数年間、日本全国の神社はもちろん、登山ルートから外れた山岳地帯を歩き、海の底に潜り自然とともに祈る日々が続いた。
 『それ』の代償は大きかった。
 自分に制限を設けなければならなかった事もそうだが、無意識レベルで肥大する自我と何度も向き合うはめになった。
 

 皮肉なことに『それ』によって孤独や不安から解放されたと同時に、大きな、しかしあまりにも人間臭いシステムに組み込まれ、その中で自我が肥大し、わたしは知らず慢心していった。
 人間は弱い。
 それに気づき、ひたすら自分を観るスキルを持っていたことがわたしを底なし沼から救った。
 また険しい自然の中に分け入ることで自分の無力さを知り、傲慢さをそぎ落としていった。
 

 2002年当時は圭子に釘を刺されたこともあって、『それ』のことは墓場まで持っていくつもりでいた。
 でもあれから13年。
 時代は変わった。
 『それ』は人類の集合無意識に深く根を張り、日々たくさんの人々がそれぞれのやり方で、さらなる未来の『それ』を作り続けている。
 

 もう時効だ。
 なんとなくだけど、肩の荷を軽くして、残りの人生を生きようかなと思って長々と書いたわけだ。
 

 そろそろ終盤。その後のことをもう少し書くので、あとちょっとだけつきあってね。
シャーマンへの道「17 そして、神がみえなくなった」につづく)
 
2015年9月

 

【シャーマンへの道シリーズ】
シャーマンへの道「1 やりたいこと」
シャーマンへの道 「2 エネルギーの使い方」
シャーマンへの道「3 宮古島」
シャーマンへの道「4 ユタ」
シャーマンへの道「5 ウハルズの謎」
シャーマンへの道「6 白龍」
シャーマンへの道「7 決断」
シャーマンへの道「8 禍津神の封印」
シャーマンへの道「9 暗黒龍王」
シャーマンへの道「10 心の暗黒面とフォーカシング」
シャーマンへの道「11 天河弁財天」
シャーマンへの道「12 大神神社と土砂降りの雨」
シャーマンへの道「13 「意識を飛ばす 竹生島弁財天」
シャーマンへの道「14 六芒星起動」
シャーマンへの道「15 それ」
シャーマンへの道「16 『それ』の本当の意味」
シャーマンへの道「17 そして、神がみえなくなった」
魔境・内観・霊的進化カテゴリー

この記事を書いている人 - WRITER -
脳科学と心理学に精通し、16年間で1万人以上の相談にのってきたシャーマン。「信じる力は、世界を変える」がモットー。自分自身を信じる力・愛を受け取る力を育てる方法、激動の時代を乗り切る極意を教えている。 著書「なぜ眠り姫は海で目覚めるのか? 超ネガティブ思考を解除する3つのメソッド
詳しいプロフィールはこちら

- Comments -

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

Copyright© 愛を受け取る法則 ヒーリングソウル  , 2020 All Rights Reserved.