16年間で1万人以上の悩み相談にのってきたシャーマンが脳科学・心理学・スピリチュアルな世界の真理をベースにお届けする、魂のミッションを生きるためのロードマップ

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シャーマンへの道「7 決断」

 
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脳科学と心理学に精通し、16年間で1万人以上の相談にのってきたシャーマン。「信じる力は、世界を変える」がモットー。自分自身を信じる力・愛を受け取る力を育てる方法、激動の時代を乗り切る極意を教えている。 著書「なぜ眠り姫は海で目覚めるのか? 超ネガティブ思考を解除する3つのメソッド
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 おまたせしました。
 「シャーマンへの道7 決断」のお届けです。
 自叙伝ですが、どんどん妖しくなってきます(笑)。
 

    ↓ ↓ ↓
 
 ちゃぷちゃぷと波の音がする。
 誰もいない南島の船着き場に、古代日本のような白い衣装を着て腰に長剣をさげ、黒髪をみづらに結った男が立っていた。面長な顔に切れ長の目は南方系の顔立ちではない。日はすっかり傾き、そろそろ夕暮れが近い。男はどこか怒ったような拗ねたような眼差しでじっとわたしを見ている。
 

 その目を見ていると切なくなる。
 40年の人生の中では会うはずもない、遥か古代に生きたであろうその男をわたしはよく知っていた。遠い無意識の海に浮かんでは沈む記憶の切れ端。目を閉じると、南の海と当時の情景がありありと浮かんでくる。胸の中に浮かんでくるのは彼が生きていた頃の姿。その魂の本質は白く光る龍神だった。
 
 

 龍神と書くと現代人には引かれてしまうかもしれないが、魂の持つエネルギーの本質だと書いたらわかりやすいだろうか? 
 
 ひとの顔にもひとりひとり個性があるように魂にも個性がある。
 その時点で持っているエネルギーの総量や質はみな違う。
 目の前の神霊を観た時、わたしたち人間は無意識に自分のポケットにしまわれている認識表の中から、目の前にいる相手と合致する認識番号を探す。
 
 その認識番号に描かれたイラストは文化的背景によってかなり違う。
 たとえば同じ認識番号8でも西洋人ならフェニックス、日本人なら鳳凰といった具合だ。私たち人間は初期の段階では、目の前のエネルギーをキャッチしたとき、なんらかの形にあてはめなければ存在自体を正確に認識することができないのだろう。
 

 また神社などで祀られている神霊は大まかに二種類に分けられる。
 ひとつはもともと土地や自然を在らしめ、コントロールする力と意志を持ったエネルギー体、いわゆる地球や宇宙と同じ成りたちを持つ神。
 ふたつめは、もとは人間だったが、死後、神として祀られるようになった存在で、古事記などの神話に出てくる多くの神々がそうした存在だ。後者の神は神として進化成長し、大きな力を持つまでになった存在もいれば、生きていた時とさほどかわらず煩悩をもったままの存在もいる。
 

 そんなわけで話を戻すと、わたしの意識に入り込んできた男は白龍の生前の姿だった。
 白龍ははじめてあらわれたときのような物理的な被害こそもたらさなかったが、あれ以来、一定の距離を保ちながらつねにわたしのそばにいた。
 

 わたしは怖かったのだ。
 白龍の存在をリアルに感じて、生々しい情景がまるで自分の過去の記憶みたいに感じてしまうことが恐ろしかった。
 現実としか思えないほどのリアルな幻視、幻聴、まるで統合失調症だと思った。
 いま起きていることを受け入れれば、本当に引き返せなくなってしまうのではないかと思うと泣きたくなってくる。
 

 ただ統合失調症が個人の妄想の域を出ないのに対して、白龍が登場したときの風圧で家が揺れて近隣の人々が地震だと勘違いするなど、物理現象としてわたし以外のひとたちとそれを共有できることと、見えたものが絵空事ではなく現実に存在していた痕跡があるのは大きな違いだった。
 

 どうしたらいいのだろう?
 何日も悩んだ。

 そもそも正常と異常の違いはなんだろう? 
 誰もが自分の視点でこの世界を見て、感じて生きている。一般的にこうでしょと思われていることであっても、それは文化的に多数派の意見に過ぎない。あくまで多数派の立ち位置からの視点であり、意見でしかない。自分自身のものの見方だって、自分独自のものというよりは、文化的背景の中で育まれてきた範囲での「正常」や「まっとうな人生」なのだ。
 

 そしていまそこを外れようとしている自分がいる。
 スピリチャル関係の本は読んだことがないし、特別な興味もなかった。子供の頃から祈り続け、大きな光と共にいて、それによって自分自身や身近な家族の病を癒すことも多々あったが、それだけだ。そりゃそうした力を一時的に占い師という職業に使ったことだってある。でもそのあたりまでがわたしにとっての真っ当な範囲だったのだ。
 

 正しさなんてあてにならない。
 感じてしまう自分を閉じ込めることもできない。
 この当時はまだサイコシンセシス(統合心理学)を学んでいなかったので、自分の身に起きたことがトランスパーソナルセルフの自己実現の一過程であるとは知る由もなかった。
 
 
 わたしはひたすら自分の気持ちを観つづけた。
 混乱、不安、自己憐憫、切なさ、恐怖、およそネガティブと言われる自分の中のたくさんの感情をただ観て、感じて、ひとつずつ受け入れる。
 
 何を恐れているのだろう? 
 何を失うと思い込んでいるんだろう? 
 それは自分がこの現代社会に所属しているという最低限の安心感、つまり自分の居場所だったのかもしれない。
 

 もしも真っ当な社会からつまはじきにされたら?
 世界中の人からNoを突きつけられたら?
 

 自分らしく生きて、それでNoと言われるなら、それはもうしょうがない。
 自分を偽って、仲間に入れてもらうよりずっといい。
 自分だけは自分の味方になってあげよう。

 10代の頃からそんなふうに生きてきた。
 今回はちょっとばかり失うものが大きいかもしれないけれど、自分だけは自分の味方になるというスタンスは変わらない。
 
  
 とうとうわたしはこの状況を受け入れる決断をした。
 

 その日、自室に座ると、目を閉じた。
 白龍の気配がする。
 

 これまで祈るときはずっとそうしてきたように、胸の中の空間をひらいた。
 大きくひと息、吸う。
 そして目の前の白龍を胸中に呼び入れた。
 
 

 我と共にあれ、と。
 

 その瞬間、胸の中心で何かが爆発して、遥かかなたまで巨大な光が広がった。
 歓喜。
 そしてどこまでも穏やかで、ただここに存在することを許されているとでも言ったらいいのだろうか、過去も現在も未来もずっと一緒だったという喜びが静かに胸の中に広がっていく。
 

 やっと出会えた。
 わたしは呼吸も忘れ、ただ世界を観つづけた。
 

 このときから白龍と共に思ってもみなかった冒険の日々が始まった。
 
シャーマンへの道「8 禍津神の封印」につづく)
 
2015年9月

 

【シャーマンへの道シリーズ】
シャーマンへの道「1 やりたいこと」
シャーマンへの道 「2 エネルギーの使い方」
シャーマンへの道「3 宮古島」
シャーマンへの道「4 ユタ」
シャーマンへの道「5 ウハルズの謎」
シャーマンへの道「6 白龍」
シャーマンへの道「7 決断」
シャーマンへの道「8 禍津神の封印」
シャーマンへの道「9 暗黒龍王」
シャーマンへの道「10 心の暗黒面とフォーカシング」
シャーマンへの道「11 天河弁財天」
シャーマンへの道「12 大神神社と土砂降りの雨」
シャーマンへの道「13 「意識を飛ばす 竹生島弁財天」
シャーマンへの道「14 六芒星起動」
シャーマンへの道「15 それ」
シャーマンへの道「16 『それ』の本当の意味」
シャーマンへの道「17 そして、神がみえなくなった」

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