縄文の気配 八島湿原と諏訪大社奥宮・旧御射山遺跡
こんにちは。
昨日、八島湿原に行ってきました。
八島湿原は長野県霧ケ峰の北西標高1,640mにある湿原です。
早朝6時半に出発して、中央高速を走ること2時間半。
じつは八島湿原は13年前にいちど行ったことがある。
懐かしいなあ。
朝方雨が降っていたけど、現地につくと半袖でも暑いぐらいの日差しでピーカンの晴れ。
湿原をかこむように木道がある。
いまの季節はエゾノコリンゴが満開で、風がふくたびにひらひらと舞い落ちる。
木道を30分ほど歩くと、なだらかな丘にでた。
その丘のふもとにちいさな祠がある。
わたしと友人はそっと手を合わせた。
祠の名は旧御射山神社(もとみさやまじんじゃ)といって、諏訪大社・下社の奥宮にあたる。
諏訪大社の御祀神は建御名方神(タケミナカタ)とされている。
ところがここ諏訪地方では縄文時代から信仰されてきたのはミシャグチと呼ばれる自然神だった。
このミチャグチと諏訪大社との関係が面白い。
伝承によると、もともと諏訪にいた洩矢一族が祀っていたのが洩矢神ともミシャグチとも呼ばれる自然神だったが、あとからはいってきた建御名方神の一族と戦って負けた。洩矢氏は建御名方神に忠誠を誓って諏訪の統治権を譲った。以後洩矢氏の末裔は筆頭神官としてミシャグチ神を降ろすなど祭祀を司るようになったという。
諏訪大社の重要な神事に鎌倉時代から続く御射山祭(御狩神事)があるが、もとはここ御射山がその舞台だった。
全国の武士が集まり、弓技や相撲など盛大に行われたというが、いまはその面影はない。
諏訪大社の奥宮である御射山神社は里に移され、ここ八島湿原のほとりの御射山には旧御射山神社(御射山遺跡)としてちいさな祠があるだけだ。
祀られているのは縄文時代から信仰されていたミシャグチ、つまり自然神だと感じる。
太古より眠る八島湿原と御射山のもつ大地の力はいまも変わらない。
今回は友人でもある若きシャーマンの実践トレーニングのお付き合いでもあった。
祈りは場に影響を及ぼすと同時に、シャーマンの卵たちが成長するうえでもかかせない。
彼女が祈り始めると湿原のうえの空気が動き、来訪を歓迎するように彼女の頭上で渦をまいた。
穏やかで懐かしい気配がただよってくる。
彼女も縄文にゆかりのあるのシャーマンなのだろう。
そういえばここ八島湿原は2016年に大ヒットした新海誠監督の映画『君の名は』のモデルになった場所らしい。
たしかに映画にでてくる宮水神社の御神体のあった山麓とよく似ている。
ひとしきり祈りが終わると、旧御射山遺跡のすぐ目と鼻の先にあるヒュッテみさやのオープンテラスでランチをとった。
トマトがきいた上品なカレーライスがとても美味しかった。
というわけで梅雨の晴れ間の日帰り旅行でしたが、八島湿原はパワースポットとしても、手軽なトレッキングとしてもおすすめだよ。
2023年6月8日
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