東京壊滅? 相模トラフと黒龍の闇 3 迷い
3 迷い
期限はあと4日に迫っていた。
正直迷っていた。
放置すれば黒龍が動いて、わたし自身も命を落とすのだろう。
だから残された時間が6カ月だったんだ・・・。
シャーマンが祈ると天気が変わったり、地震の規模が小さくなることが多いが、それはシャーマン自身がもつパワーやサイキックで地震や天候を変えるわけではない。自然を司る龍神や宇宙の運行を司る大いなる力がシャーマンの祈りに反応するから状況が変化するのだ。
祈りに必要なのはパワーではなく、大いなる力と共にあるというシンプルな思いだけだ。
それだけに、ほんの少しでも迷いがあるとうまくいかない。
地球のシステムは絶妙なバランスで成り立っている。
気象や地殻変動も含めて自然界の営みを調整するのが地球神の仕事だ。
たとえば砂漠に豪雨が降り大洪水が起きたことで、地中深くに眠っていた種が甦り、砂漠が緑豊かな土地に変化していくこともある。
もちろんそこに住む人間は生活形態を変えなければならなくなるが、それが長いスパンでみたとき、この星の繁栄につながるのだとしたら、人間の側が自然の意志を汲んで生活を変えてゆく必要があるのだろう。
ところが人間はいつのまにか自分たちの欲望のためだけに、気象に手を出し、自然のバランスを崩してきた。その傲慢さと身勝手さに黒龍は憤っているのだ。
そしてわたしもまた愚かな人間のひとり。
そんな自分に何ができるというのか・・・・。
答えが見つからないまま、わたしはいったん問題を棚上げした。
翌日、義母の付き添いでジャズコンサートを聴きにいった。
定期的に病院に訪問して、演奏してくれるのは本当にありがたい。
なつかしいナンバーの演奏がつづき、最後の曲は、What a wonderful worldだった。
聴いているうちに涙がでてきた。
夫や子どもたち、友人や知り合いの顔を浮かんだ。
庭に餌をついばみに来るシジュウカラやスズメたち。
まだ青いけれど、ずいぶん大きな実をつけた庭先の蜜柑の木。
地震が起きれば人間も自然も破壊される。
それは地球の本意ではない・・・・。
そう、思った。
翌日、わたしは車を走らせて御殿場に向かった。
相模トラフの基点にちかいその場所で待っている黒龍に会うためだ。
(4 御殿場の黒龍につづく)
2024年9月10日
【東京壊滅? 相模トラフと黒龍の闇シリーズ】
・1 命の期限 2024年9月8日
・2 相模トラフ 2024年9月9日
・3 迷い 2024年9月10日
・4 御殿場の黒龍 2024年9月11日
・5 最終章 2024年9月14日
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