東京壊滅? 相模トラフと黒龍の闇 4 御殿場の黒龍

4 御殿場の黒龍
8月の日差しは暑い。
午前中とはいえすでに外気温は30度を超え、強烈な日差しのまえではエアコンも役に立たない。
神事をすると決意してからの行動は迅速だった。
まず最初の目的地を決める。
相模トラフ一帯に巨大な黒龍がいるので、黒龍がいるエリアというサーチの仕方だと範囲が広すぎる。
そこで黒龍の気配がいちばん色濃い場所を探す。
意識を黒龍に合わせていくと、上空から見た日本列島のある地点に視点が定まる。
さらにズームしていくと詳細な地形が視えてくる。
小高い森・・・山・・・水・・・近くに川が流れている・・・
強い黒龍の気配・・。
ここか。
あとは視えた場所と実際の地図を照合すれば、おのずと最初の目的地が決まるわけだ。
わたしたちは御殿場インターで東名高速を降りて一般道に入った。
最初の目的地は御殿場の九頭竜神社だ。
九頭竜神社は標高511メートルの里山の斜面にあり、ほぼ相模トラフの真上にあたる。
九頭竜神社といえば戸隠と箱根が有名で、御殿場の九頭竜神社はかなりマイナーだ。わたしもサーチするまで存在すら知らなかったくらいだ。もっとも今回は黒龍に会うのがメインなので神社はランドマークみたいなものだ。
車を降りて、古びた石段を登り、藪をかき分けるように進む。
気を抜くと蜘蛛の巣が目の前にあらわれる。
ほどなく鬱蒼とした森の斜面にちいさな祠があらわれた。
目を閉じて意識を合わせる。
地中深くの岩盤がひっくり返るような強烈な覇気に一瞬息が止まる。
それをゆっくり受け入れていくと、黒龍のエネルギーの質が変わった。
不意に一筋の光が降りた。
――吾妻で、待つ。
黒龍からのいらえだ。
吾妻神社か。
じつはここも今回サーチでひっかかった場所のひとつだ。
だがその前にもう一か所行きたい場所があった。
九頭竜神社から真北に2キロほど走ったところにある東田中浅間神社だ。穏やかな田園風景が広がる田舎道をいくらも走らないうちに、こんもりとした森の手前に車が10台ほど停められるぐらいの駐車場が見えてきた。その奥に石の鳥居があり、鳥居をくぐると朱塗りの社殿が建っていた。
境内には誰もいない。
わたしは黒龍の気配を感じながら手を合わせた。
神社のすぐ右手には小川が流れているのだろう。
かすかに水の音がする。
よし、つぎは吾妻神社だ。
待っていろよ。
吾妻神社は東田中浅間神社から1キロほど走ったところにあった。
このあたりの道は狭い道が多い。いわゆる生活道路だから外部の人間が来ることはあまり想定していないのだろう。吾妻神社は公民館の隣にあって、どうやら公民館の駐車場が神社の駐車場を兼ねているようだ。
車を停めて外にでると、頭上でセミが鳴いている。
吾妻神社は別名御殿場東照宮といい、徳川家康が駿府城と江戸を行き来する際に宿泊するために建てられた御殿の跡地で、御殿場という地名の発祥の地でもある。壮大な歴史がある場所だが、家康の死後1686年に小田原藩主の大久保氏によって御殿は壊され、いまの吾妻神社が建立されたという。

御殿場東照宮の碑
境内は当時の面影はなく、セミ時雨だけが聴こえてくる。
濃厚な黒龍の気配に意識を合わせる。
視えてきたのは海だ。
「つぎは海だ。早川あたり」
わたしがそう言うと、相方はさっそく地図アプリを眺めた。
「そうか。せっかくなら断層沿いのルートで行く?」
「うん。峠道だよね。崩れてたり、狭くなってないかな」
「だいじょうぶ。問題なしだ」
相方はアクセルを踏んだ。
海か。でもまあ、相模トラフの位置を考えれば当然か。
というわけでわたしたちは急遽海を目指した。
(5 最終章につづく)
2024年9月11日
【東京壊滅? 相模トラフと黒龍の闇シリーズ】
・1 命の期限 2024年9月8日
・2 相模トラフ 2024年9月9日
・3 迷い 2024年9月10日
・4 御殿場の黒龍 2024年9月11日
・5 最終章 2024年9月14日
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