とある雑誌記者さんが掲載するか真剣に悩んだ直球記事「日本人のメンテリティー」
このところ台湾情勢が悪化していますね。
まさに風雲急を告げる。
台湾情勢と書いたけど、じつはすでに日本の主権に関わる問題になっています。
なぜなら日本の最西端にある与那国島のすぐ目と鼻の先で中国が軍事演習という名を借りてミサイルを飛ばしているからです。
もちろん排他的経済水域の中で、です。
与那国島は海底遺跡があり、月のエネルギーに満ちた美しい島です。
ダイバーにとっては楽園。
大切な海仲間も住んでいます。
晴れた日に与那国島から沖をみると、水平線の向こうに巨大な台湾島がみえるんですよ。
水平線いっぱいに広がる台湾島を見ていると、目の前の海が大河に見えるんです。
それほど台湾と与那国の距離は近い。
いまその海にミサイルが撃ち込まれている。
これが何を意味するのかわかりますか?
自宅の庭に拳銃の弾を打ち込まれている状態です。
なのに政府は、「地域や国際社会の平和と安定に深刻な影響を与える」などとのたまう。
当事者意識がまるでない。
どこまで情けない国になり下がったんだろう。
いま私たちが問われているのは「本当の愛と自律」です。
というわけで、以前、時事系ブログのオフィス・マツナガさんのところに寄稿していた記事を掲載します。
当時、この記事を受け取ったマツナガさんはあまりにも直球すぎて掲載するか悩んだそうです。で、万が一不逞な輩がちょっかいを出して来たら、全力で守ると決断して掲載してくれました。
あの当時は直球だったかもしれないけど、いまのご時だからこそ必要な内容だと思い再掲します。
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「日本人のメンタリティー」 2005.6.10 初稿
このところの中国の海洋調査船の動きや呉儀副首相のドタキャン事件、さらに靖国神社参拝をめぐる小泉包囲網(?)をみていると、日本政府の思考停止の積年のツケがここにきて噴出し始めているような気がする。
なんせ難しいことはわからないお気楽OLの昼時の会話にこの話題が出てくるぐらいだから、みんなけっこうフラストレーションがたまっているのかしらん。
そもそも土下座外交だの弱腰外交だのといわれ続けて久しいけれど、この国はどうして必要以上に周辺諸国の顔色をうかがうようになってしまったんだろう。
利権や個々の思惑などいろいろあるけど、大きな要因は以下のふたつなんじゃないかな。
1 敗戦トラウマ
2 日本の文化・社会構造が極端な「母性社会」であること
【1 敗戦トラウマ】
まずひとつは敗戦トラウマといわれるやつ。
第二次世界大戦が終わり、武装解除・軍国主義の排除・工業生産力の破壊・中心勢力(内務省・警察・財閥)の解体・民主化という基本原則のもとに、GHQの占領政策が施行されたよね。この基本原則のなかでも民主化っていうのが曲者で、この政策の本当の意図は日本の歴史的・民族的な思想や教育を否定してアメリカ型の価値観を植えつけることなんだよね。
心理学的な観点からみると、人間の精神的な成長っていうのは、自分のいやなところも好きなところもふくめて、ありのままの存在としての自分自身を受け入れてゆくところから始まる。ひらたくいうと、ハッピーな出来事はもちろん、過去のいやな思い出も含めて自分にYESと言えるようになったとき、ひとの心は成熟してゆく。
これは国に置き換えても同じなんだよね。祖先たちが築き上げてきた、気の遠くなるような長い歴史の積み重ねのその先にわたしたちがいる。
むかし「ルーツ」という映画が多くの人々の共感を呼んだ。詳細は忘れたけど舞台はアメリカ。時代は黒人がまだ奴隷として使われていた、たしか南北戦争の頃で、ブラックアメリカンの主人公が自分の両親や祖先のルーツを見つけてゆくという内容だったと思う。なぜこの映画が国を越えて、あれほど共感を呼んだのだろう? それはたぶん誰もが自分のルーツを求めているからだ。ルーツとは「根」と言い換えてもいい。自分や祖国のルーツを見つけることは、自分たちが無条件に生かされ、この世界のなかで存在を許されているという証そのものを見つけることにほかならないからだ。ルーツ、つまり自分の「根」がどこにあるかということが心の安定に大きくかかわってくるんだよね。
アメリカによる民主化政策は、第二次世界大戦当時の文化や社会システムを全否定した。そうすることによって、じつは昭和以前から脈々と続いてきた日本という国の流れをばっさり断ち切って、日本人の精神的なバックボーンを破壊することが真の狙いだった。そしてその狙いは、見事に成功したと思う。それは一部のメディアや思考停止した親中政治家をみればわかる。
【2 日本の文化・社会構造が極端な「母性社会」であること】
さて、もうひとつの要因は日本が極端に女性性の強い「母性社会」だってことなんだよね。
どういうことかっていうと、男も女も人間は誰でも心の中に、「男性性」・「女性性」とよばれる相反するふたつの性質をもっている。女性性は母親的な性質で、人との繋がりや愛や調和を求める気持ち。男性性は理性・知性・客観性・分析力、個を確立して自立してゆく力なんだよね。
この男性性と女性性のバランスはひとによってさまざまで、どちらかっていうと男のひとのほうが男性性の配分が多いって言われているけど、そのあたりはかなり個人差があるのが実情。心の中の男性性と女性性が順調に育って、うまく両者のバランスがとれていれば、主張するべきことは主張しつつも、信頼関係を築いてゆくというスタンスがとれる。
ところが先にも書いたとおり、日本は極端に女性性が強い社会構造なんだよね。
際限なくひとと繋がってゆきたいという欲求をもつ女性性を抑え、精神的自律を促すはずの男性性が本来の役割を果たしていない。そのため女性性のマイナスの部分である、依存心・執着心が強くなる。ひとと同じじゃないと不安になったり、和を乱す突出した存在がいれば即座に引きずりおろす。さらに自分と他人が別人格だということを感情的に納得できないため、自分は自分というスタンスでいることができず、相手に干渉したくなる。そのくせ大切な相手との意見の相違を極度に恐れるため、自己主張ができない。
もともと精神的に自律しづらい文化的・社会的背景があるうえに、敗戦トラウマが重なったことが、この国を長年の思考停止という状況に追い詰めてしまった。
ところがここにきて、中国の野心が露骨になって、これまでなんとか保ってきた地域的なバランスが崩れ始めているよね。したたかな中国指導部にとっては、謙虚さや思いやりは美徳でもなんでもない。どんなに憲法九条を叫んだって、車内暴力ひとつ止められない。
他国に勝手な幻想を抱くのではなく、自分たちの置かれた状況をシビアに見極めたうえで、本気で自立しないとこの国に未来はない。
もちろんこれは政治家だけの課題じゃない。
世界で起きるさまざまな出来事は、わたしたちの心の状態を映す合わせ鏡なんだよね。鏡に映った自分自身の本当の姿を直視したとき、目の前で起きている出来事の本質が何なのか、はっきりと理解できるに違いない。
そして、もういちど自分自身に問い返してみればいい。
鏡の国にとどまるのか、それともオトナになるために一歩踏み出すのか、と。
平成17年6月10日 キョーコ
☆ ☆ ☆
いかがでしたか?
17年前の2005年にオフィス・マツナガさんに寄稿した記事ですが、いまも同じ状況が繰り返されています。
いや、当時より明らかに悪化していますね。
次世代の子どもたちのために、この状況を変えるには、まずはこの現状を認識することが一歩目です。
2022年8月9日
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