22の新月
昨日はいわきの友人に会いに行った。
高台に建つ素朴なつくりのカフェからは穏やかな海が見えた。
10代の頃の話である。
当時、死がとても身近にあって、家族環境も難しかったこともあり、人生に絶望していた。具体的にいうと、9歳の時に発症した病気のせいで20歳まで生きないと言われていた。10代といえば、おとなになったら何になりたいとか、将来を真剣に考える時期だ。その時期に死を宣告されることは自分という人間のもつ可能性を奪われたに等しい。
苦しい日々が何年も続いた。本当に苦しくなったら飲もうと思って、病院の戸棚から失敬した劇薬をお守り代わりに持っていたくらいだ。あと一日、あと一か月耐えようと思いながら生きていた気がする。
あるとき不意に思った。
「それでもわたしは、いま、ここにいる」
これは強烈な気づきだった。
そうなのだ。
どんなに苦しく孤独であっても、それでも「わたし」は、いまこの瞬間、生きて、ここにいる。
それは奇跡だ。
たとえこの世界のすべてがわたしを拒絶したとしても、それでも、「わたし」はここにいる。
生きている。
どんなに感情が悲鳴を上げても、根底にある生命そのものが生きることを放棄しないのだ。
個人の感情を超えたところで、命は生かされ続けている。だとしたら生きていることそのものに価値がある。誰よりも「わたし」にとって、わたしがわたしとして、わたしの人生を生きていることが比類のない価値なのだ。
そう思った瞬間、わたしは長い闇を抜けた。
「何をブレていたんだ。自分は。自己憐憫にひたったままのみじめな人生のまま死んでたまるか」
若かったわたしを絶望から救ったのは、他者の愛じゃなかった。
もっと根源的な生命そのものの持つ誇りだった。
コーヒーを飲みながら、友人はそんな古い記憶の断片を穏やかに聴いてくれた。
不思議な時間の流れだった。
そして今日、気づいた。
きのう友人に語ったことは10代のわたしから今のわたしへのメッセージだった。
激動の人生を駆け抜けるように生きて、気づいたら50歳の誕生日を過ぎた。311東日本大震災以降は、被曝ヒーリング勉強会やシャーマン養成CEL講座、神事等でじっくり自分の時間をとる暇もなかった。震災直後はすこしでも必要なひとの役に立ちたいという気持ちから手探りで勉強会等を立ち上げてきたけれど、いつのまにか自分の中にさまざまな要素が混ざりあっているのにも気づいた。今後は公私ともに活動形態を変えてゆく必要もあるだろう。
どんなときでも大事にしたいのは、ただひとつ。
「ブレるな」
不器用だけど精一杯生きていた10代の自分が命のすべてをかけて体験して、時を超えて伝えてくれたメッセージだ。
ありがとう。10代の自分。
おりしも22日は牡羊座の新月。
友人がそっと教えてくれた。
「牡羊座のテーマは、I am I. つまり私は私である。それは自分に対する誇りを持つということでもあるんだよ。そしてすべてはそこからスタートするんだよ」
3/24追記
昨日、娘にもらったGEEKSのDARYL MCGUFFIN」に収録されているPROMETHEUS FANCLUBという曲に、
「ブレるな」ルールはそれだけ
というフレーズがある。
ふふふ。。。シンクロだ(笑)。ちなみにGEEKSはばりばりロックのインディーズバンドで、好きなバンドのひとつです。
2012年3月23日
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Comment
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キョーコさんのように軸がしっかりしている方は、多少揺れてもすぐ元に戻って来れるんでしょうね^^ 私もしっかりと軸を育てていきたいと思います。
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ゆかこさん おはようございます! 私も若い頃はまったく自分軸を持っていなかったんですよ。 10代の病気をはじめとして、人生上でのシビアな経験を重ねるたびに精神力がついてきたように思います。