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冬至と新嘗祭

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 さて11月24日のエントリーで新嘗祭について以下の内容で書いたけど、説明がわかりにくかったようで、今日はその補足です。
 そもそも11月23日の勤労感謝の日と新嘗祭がなぜだぶるのかって話をすると、それは明治6年までさかのぼる。
 

 それまで日本では旧暦というやつを使っていた。いわゆる太陰太陽暦(天保壬寅暦)だね。これはどういうものかっていうと、現在の太陽暦(グレゴリウス暦)は太陽の運行を基準に一年を12ヶ月に分けるよね。それに対して太陰太陽暦では月の満ち欠けを基準にして一年を12ヶ月に分けるんだよね。ところが月の満ち欠けだけだと一年が11日短くなってしまうため具合が悪い。そこで3年に1回閏月を加えることで誤差をなくしたんだよね。
  

 この太陰太陽暦は前年の冬至の日を起点に計算して作られる。つまり古代では冬至というのは暦を作るうえで非常に重要な日だったわけ。
 そして冬至の日は一年でもっとも太陽の力が弱まるよね。だから古代人は、冬至の翌日から太陽の力が徐々に戻ってくると考えた。これが冬至祭の原点なんだよね。ここから冬至を境に新しい年がくるという発想になるわけ。
 これが新嘗祭のはじまりだった。
 

 衰えた太陽の力を取り戻す。その延長線上にその年の収穫に感謝し、稲米を神と共に食べることで新たな命をいただくという素朴な信仰があるんだよね。それは農耕民族にとってはごく自然な発想だったんだろう。そしてこれが国を支配する大王家(古代は天皇ではなく大王と呼ばれていた)の儀式として定着してゆく。
 

 当然新嘗祭は冬至の日か、その数日後ぐらいの時期に執り行われた。冬至は太陰太陽暦ではかならず11月中旬ぐらいになるんだよね。それが儀式として宮中で行われるようになるにつれて、太陰太陽暦の11月の第二卯の日と決まっていったんだよね。ちなみに日本書紀によると、皇極天皇元年(642)に新嘗祭をしたという記録があるので、その頃からある程度儀式として定着していたんだと思う。
 

 さて明治6年。明治政府は諸事情により、太陰太陽暦から現在の太陽暦に改暦した。このとき本来の新嘗祭は旧暦の11月なので新暦に直せば12月22日前後のはずなんだけど、なぜか新暦11月23日を新嘗祭として制定している。
 さらに1948年。11月23日は新嘗祭ではなく、勤労感謝の日として休日に制定された。
 

 以上が新嘗祭の流れなんだよね。
 ちなみに冬至を一年の区切りとする考え方は古代では世界各国に共通していたようで、さらっと例をあげるとローマ帝国時代に信仰されていたミトラス教の冬至祭、農耕神サトゥルナーリア祭 、ケルト人やゲルマン人のユール祭なんかが有名。
  のちにこうした冬至祭はキリスト教に取り入れられて、現在のクリスマスになったんだよね。
 

 こう考えてみると、新嘗祭もクリスマスも古代ヨーロッパの冬至祭も発想は同じだね。
 
2006年11月27日

 

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コメント

コメント一覧 (4件)

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    「クリスマスは新嘗祭!」っていうのは何だか良いです。 誰もが楽しめるイベントの根っこは汎世界的で、同時に日本の伝統でもあるってのは「兄弟皆人類」みたいで嬉しいですね。 私はクリスマス・ツリーを見るとイェーツの詩に出てくる「燃え上がる緑の樹」を想い起こしますが、あれはまさに「生命の樹」なんでしょう。 特に何かするわけでもありませんが、クリスマスは楽しいです。

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    興味深いお話ですね。 うちは転勤族で、実はつい数ヶ月前まで島根に住んでいました。 農業に携わる方が多く、 質のよい野菜など、夫の職場の方からたくさんいただきました。 島根は経済統計などの数字では計れないような、豊かさがあると感じました。 出雲大社にもお参りしたことがあります。 昨年の8月。偶然お盆の神事のころに。 駐車場から見える大きな日章旗が印象的でした。

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    ウォッチャーさん イェーツの「燃え上がる緑の樹」ですか。 いいですね。 人間の考えることはそれほど大きな違いはないってことですよね。 わたしもクリスマス大好きです♪

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    さくらこさん >島根は経済統計などの数字では計れないような、豊かさがあると感じました。 なんだかわかる気がします。 観光タクシーを一日チャーターして移動したんですが、こちらの気持ちが伝わったのか、本当によくしてくれて、別れ際には運転手さんと涙のお別れをしてしまいました。 人の心のあたたかさに感動しっぱなしの旅でした。

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