人間の価値
さて立春を過ぎて暦の上では春だけど、東京の冬はいまからがいちばん寒い。
この時期、仕事とやプライベートなど、人生の正念場に立たされているひとも多いと思う。
過去のやり方が通用しなくなって新しいやり方を学ぶ必要があるんだけど、ゆっくりそれを学んでいる時間はない。社会人の多くが否応なしに現場での実践の中で新しい方法を身に着けなければならない状況に置かれているかもしれない。
たとえば会社員のAさん(50歳)。
新しい部署でプロジェクトを任されたものの、その分野の知識もないし、これまでのやりかたではまった通用しない。仕事のやり方を変える必要に迫られているんだけど、時間をかけて物事を修得するタイプなので多忙な状況の中ではいくら時間があってもたりない。そんなある日大きなミスをしてしまい、上司からこっぴどく注意された。
Aさんはひといちばい責任感が強く、地道な努力が得意で、負けず嫌い。そんな彼にとって、仕事ができないヤツと思われることは自分の存在意義を見失うぐらいつらい。昨今の不況も重なってリストラの不安も現実的になってきている。
さてAさんの苦しさの根っこには、
「会社からの期待に応えられない自分は能力がない」
↓
「能力がなければ、戦力外通知を出されてリストラの対象になる」
↓
「期待に応えられなくてリストラされる自分には価値がない」
という思考パターンがあるんだよね。
このような考え方をしていると、よけい萎縮して精神的にどんどん追い詰められていく。
Aさんには専門外の部署に配属された時点で選択肢が二つあった。
それは
①自分の能力を生かせる仕事に転職する
②いまの会社で仕事を続ける。
で、Aさんは②今の会社で仕事を続けるという選択をした。当然、50歳という年齢もあって悪戦苦闘する。長年続けてきた仕事のやり方を変えるのは一朝一夕ではできないからだ。
生きてゆくうえでいろいろな出来事があるけど、実は物事には二つの側面がある。
それは、
①表面の事象として見えている出来事
②その奥にあるもっと心の在りように直結する本質的な部分
上記のふたつの側面が同時並行して動いているんだよね。
人生には大きな転換期が数回あるけど、その時期に差し掛かると多くのひとがトラブルという形で物事に対する見方を変えることを促されたり、慣れ親しんだ考え方や行動パターンを捨てざるを得なくなる。
なぜそうした変容を促されるのだろう?
それは、より豊かで自由な精神を持つためだ。決してそれまでの方法が間違っていたわけではない。人間は変化成長する生き物なのだ。若い時は魂のありかすらわからなくても、ある程度年を経てゆくと、それぞれの魂は力を増し、より豊かな人生を創りだそうとして本質的な変容をわたしたちに迫る。
Aさんの場合なら、
①表面の出来事 ⇒ 新しい部署で成果を出す
②奥の本質的な部分 ⇒ 「期待応えられなければ価値がない」という思考パターンの変容
じゃAさんはどう考えたらこの状況を乗り越えて、より楽で喜びに満ちた人生をGetできるだろう?
それはずばり、自分の存在価値を会社や周りの評価などという外部に置かないことだ。そして自分の存在価値を外部から自分自身の手に取り戻すのだ。
わたしたちの人生はわたしたち自身のものだ。
たとえ周囲が誰ひとりあなたを評価しなかったとしても、生きているってことはそれだけでこの宇宙に祝福されて存在価値を100パーセント認められているのだ。
この宇宙はわたしたちを必要としているのだ。
たかだか会社の上司?
Aさんという魂を深く知りもしない人間にAさんの存在価値を測る力もなければ、左右する力もない。
ミスをして周囲が責めているように感じるかもしれないけれど、人間が人間を裁ける資格など誰一人もってはいない。
そしてね、人間は失敗する生き物なんだよ。
他人に迷惑を描けない人間なんていない。
誰もがおたがいに迷惑をかけあっているので帳尻はあっているからだいじょうぶ。
あなたが、現時点でそこに居ることを選択したことはきっと宇宙の意志でもある。
失敗も迷惑を折り込み済みだ。
だから精一杯、自分のために自分らしく生きればいい。
それこそがあなたに課せられた最大のミッションだ。
2015年2月9日
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