ミッションの力2
今回は真のミッションにたどり着くにはどうしたらいいのかについてお話します。
まずは私の例をご紹介しましょう。
ミッションという概念すら知らなかった10代の頃は、サハラ砂漠で井戸掘りがしたかったんです。
理由は、生きている実感が欲しかったからです。
毎日毎日、井戸を掘る。
ふと見上げると、
抜けるような空の向こうに太陽がある。
まぶしいなあ・・・。
そう思いながら、水筒の水をゴクゴク飲み干す。
からからに乾いたのどに水がしみわたっていく。
あー・・・美味しい。
・・・という事をやってみたかったのです。
誰かのためとか、
役に立ちたいとか、
そんな立派な動機じゃありませんでした(笑。
もっともこれは当時闘病生活だった私には、まさに見果てぬ夢でしたが。
奇跡的に病気が治ったあとは、バイクレースに夢中になりました。
誰よりも速く走れるようになりたかったんです。
レースで死ぬなら上等だっ
・・・と本気で思ってましたね(爆)。
客観的にみると、仲間の男子たちには、かなわなかったんですが、それは問題じゃなかったんです。
毎日大好きなバイクに乗れて、「速くなる」という目標に向かって、いくらでも努力することができる。
それが楽しくて仕方なかったんです。
いまこの瞬間、生きているという実感があって、明日死んでも悔いはないという日々でした(^^;
31歳を過ぎたくらいから物語を書くことに夢中になりました。
書きあがったら某出版社の某編集長に読んでもらうという繰り返し。
それがその頃の私のいちばんやりたいことでした。
これが私のミッションだ、プロの小説家になると思い込んでいたんです。
ところが40歳になって2カ月くらいたったある日、朝、目が覚めたら、その情熱がきれいさっぱり消えていました。
ミッションだと信じて疑わなかった小説家という職業は色あせて輝きを失ってしまったのです。
この時を境に、人生の流れが変わりました。
それまでは「生きている実感」がいちばん大事だったんです。
私が「生きている実感」を感じるのは、夢中になって好きなことをしているときでした。
身体が動くこと、
くたくたに疲れて眠ること、
病気の痛みに耐えること、
コーナーを高速で駆け抜ける瞬間、
新しい体験、
知らない景色を見ること、
想像力を駆使して物語世界を創ること、
自分の腕一本でお金を稼ぐこと、
このどれもが、その時どきの自分にできる最高にやりたいことだったのです。
だから40歳までの私に、
あなたのミッションは何ですか?
与えられた命をどう使いたいですか?
と訊いたら、
「身体と想像力を使って、生きている実感を体感すること」
と答えていたでしょう。
そしてね、
さらに突っ込んだ質問
「それは、なんのために?」
という質問には、当時は答えられなかったと思います。
小説家志望の夢が消えると同時に、公私ともにシャーマンになるための虎の穴(笑)としか思えない状況に叩き込まれました。
あの頃、幻視という形で悲惨な未来を視ました。
なんとしてもそれを阻止したい。
子どもたちと、大切な人たちを守りたい、
そう思ったんです。
このときはじめて、本気で「ひとのために」を意識したんですよ。
そしてシャーマンの道に入る決意をしました。
それまでの私は子育てをしながら仕事をしたり、
物語の取材のために一人旅にでたり、
自分の気持ちに正直に、
トコトンやりたいことをやってきました。
若い頃の私は子育てよりも自己実現、
他者よりもまず自分、
つまり自分自身に意識が向いていました。
まだまだ「自分」を生きたりなかったんですね。
波乱万丈の時期を過ぎて、
58歳のいまは、
世の中が良くなるように、
泣いている人が笑顔になるように、
そのためにシャーマンとして、
心理学講師として、
心理カウンセラーとして、
フェルデンクライスプラクティショナーとして、
瞑想教師として、
アウトドア遊びの案内人として、
かわいい妻として、
自分の時間と命を使うことが私のミッションです。
ずっと忘れていたんですが、最近思い出したことがあります。
じつは19歳で奇跡的に病気が治ったときに心に決めたことがあるんです。
それは、
大いなる力をちゃんと使いこなせるようになって、
いつか人の役に立てる人間になる、ということでした。
いまはバイクに乗ったり、体を使って、それまでできなかったことを全部やりたいし、自分のために時間を使いたいけど、40歳になったら、その道で生きていく、と。
考えてみたら、その通りになりました。
長々と私の話を書きましたが、
ミッションを考える参考になったでしょうか?
ミッションにはその人の成長に応じた段階があり、ミッションを実現する手段は年齢とともに変わっていきます。
さきほどの私の例でいえば、私の魂のミッションは「霊的能力を使って世の中に貢献する」ですが、「自分」がいちばん大事だった若い頃の私ではその力に振り回されて、独りよがりになるのがオチでした。
何十年もかけて地道に培ってきた超能力を他者のために使えるようになるには、その前段階である「自分のために」トコトン生きて、それを実感して、卒業する必要があったわけです。
40歳までの私のミッションは、「身体と想像力を使って、生きている実感を体感すること」でしたが、それは、なんのため? という質問がありましたね。
その答えは、19歳のときの誓いを実現するためだったんです。
人生は人智を越えたところで辻褄が合うようにできているのだなあとしみじみ思います。
もちろん、これは私だけじゃないですよ。
すべてのひとがそうなんです。
だから
あなたの命と時間を使いたいことが、いまのあなたのミッションです。
ミッションを意識するだけで充実感や納得感が大幅アップしますよ。
そして夢やあこがれはもったほうがいい。
どんなに不可能に思えても、それがミッションにつづく道しるべになります。
私たちは時代の大きな転換期を生きています。
どんな人生を生きたいのか、
何に時間を使いたいのか、
そして、
いま望んだとおりの時間の使い方をしていますか?
本当は人生で何を大切にしているのか?
何に価値を感じているのか?
そんな自分に正直に生きていますか?
あなたの長年のこだわりや悩んできたことが
あなたの真のミッションを見つける道しるべになります。
あなたの心からの願い、
想い、
喜び、
希望こそが、
この世界を変えるちいさな力になります。
未来は、まだ来ていないんです。
そう、未来は可能性の宝庫。
厳しい未来予測もありますが、それは100%決定ではありません。
占星術? 占い?
そんなものは、くそくらえです。
占い師の方がいたら、ごめんなさい(^^;
でも既定路線の罠にはまってはいけません。
未来を決めるのは、私たちの心ひとつ。
この世界に、あなたが生まれたのには意味がある。
あなた中にある無邪気な願いや望みこそが、
人類という種を未来に連れていく道しるべです。
なぜなら、
未来を生みだすのは、いつだって
無名の個人のちいさな願いから始まるのだから。
(了)
2020年8月15日
【ブログ内参考記事】
・ミッションの力1
・ミッションの力2
・ミッション・ヒーローズジャーニー(カテゴリー)
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