転機と怪我
こんにちは。先日はご心配をおかけしました。
右手はまだ通常通りに動かそうとすると、ちょっと痛いのですが、おかげさまで8割がた回復しています。
どうやら剥離骨折ではなく、ただの打撲だったのかもしれません。
お騒がせしました(^^;
これまでのお話は前回の記事をどうぞ
↓↓↓
剥離骨折90パーセント診断を受けた件
さて今回の怪我で、ひとつ思い出したことがあります。
初めて手に入れた自由
あれは22歳のときだったかな。
私は専門学校を卒業すると医療検査センターに就職しました。
当時は80年代前半、バブルの真っただ中で、モータースポーツ全盛期。
私が住んでいたアパートは国道20号のすぐそばで、休みになると朝っぱらから十数台のレーサーレプリカのバイクが爆音を響かせて走っていくんです。
入社と同時にオートバイの免許を取ると、すぐに夢中になりました。
早朝まだ暗いうちに家を出て、夜明け前の空気を全身で感じながら、ひたすら国道を走るんです。
見慣れた景色がどんどん遠ざかっていく。
ちょうど湘南を過ぎたあたりで、空の色が変わり、日が昇ってくるんです。
曲がりくねったワインディングロードをひらりひらりと走って、伊豆の港町で朝食を食べる。
初めて手に入れた自由でした。
くたくたになるまで身体を動かしていい。
行きたいと思えば、そこに行っていい。
「え? そんなことが?」って思うかも知れないけど、10年間の闘病生活中は許されない事だったんです。
だから、あの頃はやりたいことはなんでもやりました。
最初は峠で街道レーサーを気取っていたけど、そのうち本物のサーキットを走りたくなって、富士スピードウェイの走行ライセンスを取りました。
バイク熱はどんどんエスカレートしていきました。
レースに出たいという思いが止まらなくなっていたんです。
で、バイクの挙動をつかむ練習がてらモトクロスを始めました。
モトクロスというのは、バイクでダートコースを走るレースで、一流のロードレーサーの多くがモトクロス経験があります。速くなりたいなら、モトクロスで学べ、なんて言われていましたね。
ところがモトクロスの草レースの最中に、ジャンプの着地に失敗して、派手に転倒してしまいました。
全治1か月
「右の鎖骨が折れてますね」
翌日、近所の整形外科で診てもらうと、あっさりそう言われました。
右手から鎖骨にかけて、ギブスで固められて、完全に怪我人です。
右手が使えないので仕事もできません。
さすがの私も立ち止まりました。
このままいけば、いつか仕事とレースのどちらかを選択しなければならないときがくるだろうなと思っていたんです。
なら、レースでしょ!!
・・・と言いたいところだけど、当時の私にはひとつ大きな問題がありました。
それはバイクのセンスが足りないこと(@▽@)
走り屋仲間の男子に比べて、圧倒的にドンくさいんです(汗)。
だから何度も峠で転んだし、がけから落ちたこともあるぐらい。
なんか 根本的に違うんですよ。
そりゃ練習すればうまくなるけど、その前に死んでしまうかもしれない(――;
ましてレースは勝たなきゃ意味がない。
どう考えても、厳しいレースの世界で生き残っていけるとは思えなかったんです。
結局、私はレースをやめました。
なんだか、普通の世界に引き戻された気がしました。
とんがって生きるのではなく、普通に結婚して子どもを産んで、お母さんになる生き方。
その予感通りに、それからすぐ元旦那と出会って結婚して、2008年にピリオドを打つまでの21年間を一緒に暮らすことになったんです。
それは家族をとおして自分という人間を見つめ直す学びでした。
いま思えば、22歳の事故は大きな転機でした。
怪我の意味は
今回の右手のけがは、あのときと比べたらまったく問題ないレベルです。
でもどちらも乗りものの事故で、右手が使えないという意味ではちょっと似てる。
怪我や病気は転機の前触れなんて言われるよね。
そういえば思いあたることがあるんです。
ここ二か月ぐらい、去年の夏から学び始めた技術の結果を出したくて深夜まで勉強していたし、仕事のほうも新しい講座を構築中で、早く形にしたいという気持ちがありました。
時間が足りないという焦りがあって、どこか浮足立っていました。
それが今回、怪我をしたことで、すっと鎮まったんです。
右手が使えないので、長時間のパソコン作業ができなくなって、これは焦ってもしょうがないと思ったんですね。
2、3か月早く稼働させたところで、状況はそう変わらない。
それよりも次のステージに向けて、いまはもっと長期的な戦略を考えようと。
今回の転機はじつは2017年にイスラエルのネゲヴ砂漠に行った時から始まっているんです。
22歳の転機は人の親になり、家族という濃い人間関係の中で生きる方向に舵をきりました。
2008年の転機は自分の可能性を徹底的に試す方向に舵を切りました。
そして今回は今後10年スパンで後進を育てる方向に向かっています。
なんだか転機特有の不思議な流れに身を任せつつ、わくわくしている自分がいます。
これって、夜明け前の国道をバイクでひたすら走っていた、あの頃のわくわく感と似ているかも。
あの頃は若くて、何も持っていなかったけれど、どこまでも自由で、世界は可能性に満ちていました。
その気持ちは、58歳になったいまでも変わらない。
緊急事態宣言による影響はこれからが本番です。
でも思い出してほしい。
私たちは誰もが何も持たずにこの世に生まれ、何も持たずに死んでゆきます。
だからこそ、リスクを恐れずに、夜明け前のこの時期に未来を見つめてください。
え? 守るものが多すぎて無理?
きっとあなたの中にも、純粋に未来に夢を馳せた瞬間があったはず。
いくつになってもピュアな自分を忘れないで。
その気持ちが、いまを乗り切り、きっと未来を拓くカギになるよ。
2020年6月16日
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