Soul Love ~パートナーとの関係を魂レベルの愛に昇華させる方法
「キョーコさんみたいに、彼とラブラブな関係を作るのはどうしたらいいんですか?」
友人知人から、よくこんな質問をされる。
コツはいろいろあるけど、じつはいちばん押さえておきたいポイントがある。
それは、「父親殺し」のプロセスを踏むこと。
えええ? 父親殺し???
はい。聞きなれない言葉だよね。
誰でも心の奥底に、これは正しい、これは間違い、こうあらねばならない、といった判断基準みたいなものを持っている。その判断基準は客観的にみて正しいわけではなくて、あくまでも本人にとって正しいローカルルールに過ぎないんだけど、本人にとっては絶対的なルールなんだよね。
このローカルルールは私たちが幼いときに、家庭環境、まあ、たいていは親との関係の中で作られ、無意識の奥深いところに刷り込まれていく。このローカルルールのもとで生きているうちは、たとえ70歳になっても精神的には、まだ子どもだ。親から与えられたローカルルールを捨てて、自分の価値観に沿って生きようと決意したとき、私たちははじめて精神的に自律した一人前のおとなとして生きていくことができる。
このプロセスを「ヒーローズジャーニー」を書いたジョゼフ・キャンベルは「父親殺し」と名付けたんだよね。交流分析なら禁止令(魔女の呪い)を解く一連のプロセスをさす。ユングはここで言う「父親」のことを「シャドウ」と呼んだ。
アクション映画やアニメでは、物語の後半で主人公は敵のボスキャラと対決するんだけど、そこで追い詰められて死にかけたり、敗北したりするよね。
つまり主人公は象徴的な死を経験する。
そこから復活して、クライマックスでは見事に敵のボスキャラを倒してジ・エンドだ。
これはアクション映画だけじゃない。大ヒットした映画やアニメは、必ずと言っていいほど、ヒーローズジャーニーと呼ばれる人間の普遍的な心の成長プロセスをベースに描かれている。
その核心は「父親殺し」だ。
映画やアニメだけではなく、ヒーローズジャーニーの法則は私たちの実人生のもあてはまる。
たとえばAさん。
彼女は、「人と違うことや目立つこと」が怖い。
だから自分の本当の気持ちを無視して、無難な選択ばかりしているので、安全だけど、なにか物足りないと感じている。ふだんから自分の本当の気持ちを偽って生きているので、肝心なときに選択を間違える。
さらにふつうに恋愛したり、結婚生活のなかで、心の深いところから相手と親密になれない。
自分が自分を偽って、本音で生きていないんだから、本音の自分が相手と触れ合えるはずがないんだよね。
これが無意識の奥に住む父親に支配されている状態だ。
Aさんはなぜ「人と違うこと」をしたり、「目立つこと」が怖いんだろう?
それは人と違う行動をすることで、周囲から白い目でみられたり、仲間外れにされたり、嫌われたりすると勝手に思い込んでいるからだ。
その思い込みの奥にあるのは父親が決めたローカルルール。
Aさんにとって、それを破ることは、父親に愛されなくなることを意味するんだよね。
子どもにとって、親に愛されなくなるほど恐ろしいことはない。
だからおとなになっても、古くなったローカルルールを必死に守ろうとしているわけだ。
Aさんがパートナーの本当の心に触れて、おたがいに深い愛を感じられるようになるためには、どうしたらいいだろう?
それは無意識の父親の支配から抜け出して、精神的に自律したおとなになること。
そもそもパートナーは父親とは違う、ちゃんと人格をもったひとりの人間なわけで、そこに父親との間にあった幼い頃のルールを持ち込むのは筋違いだ。
さらにそのローカルルールを世間一般に当てはめちゃいけない。
世界はひろい。誰もがAさんのローカルルールと同じ考え方をするとはかぎらない。
いきなりボスキャラと対峙するのは荷が重いので、日常の中ですこしずつ本音で行動してみよう。
もしもデートでいつも彼に合わせているなら、ちいさなことでいいので自分の希望を言ってみよう。
映画やアニメを見に行くのもいい。
そこには、父親殺しのヒントが満載だ。
最後に私自身の父親殺しの話をするね。
思い返すと、私は反抗期がかなり強烈だったらしくて、10代の頃は父親とよく衝突した。
父にとっては、やんちゃだし、反抗期も強烈だったし、本当に頭の痛い娘だったと思う。
そんな私でも、やはり無意識に埋め込まれた「~でなければならない」というローカルルールにはずいぶん苦しんだ。
それを完全に断ち切って、やっと父親の呪縛、つまり魔女の呪いから解放されたのは、21年間の結婚生活に終止符を打った時だった。
本当は結婚しようと言われたときに、「No」と言いたかった。
でも24歳の私は、それを言うことができなかった。
相手を傷つけるのが怖かったのだ。
「自分を犠牲にしても、親しい相手を優先させろ」というローカルルールが刷り込まれていたせいだ。
「No」と言えないまま、結婚式の日取りが決まり、招待状を配り、式の日が近づいていった。
それから21年間、夫と衝突するたびに当時の私は自分自身の心の動きを見つめた。
父親や母親の思い込みを無意識レベルで取り込んで、その呪縛に縛られている自分を幾度となく発見してきた。
そのたびに、自分の思い込みと向き合い、解除していった。
気がついたら、いつのまにか鳥かごの外にでて、自由に大空を舞っている自分がいた。
ああ、もう終わりなんだな。
楽しかったな。
幸せだったな。
そう思った。
いろいろ関係者を巻き込むけど、いま言わなければ、この先一歩も進めないと思った。
「さよなら。そして、ありがとう」
そう言えたとき、私は元夫の向こうにいた「父親」を殺した。
返す刃で自分を殺した。
そして、よみがえった。
父親殺しの効果は絶大だった。
最後の関門を突破して、世界が広がった。
なによりも、深いところから自分という存在をまるごと受け入れることができるようになった。
その後、いまの夫と出会い、2度目の結婚をして10年が経つ。
いまの夫とは深いところでつながっているのを感じる。
もちろん、89歳になる父親ともいい関係だ。
「父親殺し」をして、やっと本当の自分を生きることができる。
私の場合は、最終的に離婚したけど、それはあくまで私のケースだということは断っておくね。
パートナー募集中の人や、より良いパートナーシップを築きたいと思う人は、自分の中にある思い込み(=ローカルルール=魔女の呪い)を発見するところから始めるといい。
そのためのガイドブックとしておすすめなのが、樺沢紫苑先生の「父滅の刃~消えた父親はどこへ アニメ・映画の心理分析~」。
アニメや映画を「父親殺し」を核に心理学的に解説している本なので、楽しみながら人間の心について学ぶことができるよ。
2020年9月11日
★最近の著書
なぜ眠り姫は海で目覚めるのか? 超ネガティブ思考を解除する3つのメソッド
★白鳥澄江の新刊はこちらから、1章丸ごと立ち読みできます
「なぜ眠り姫は海で目覚めるのか?~超ネガティブ思考を解除する3つのメソッド」
でーぷすぎる記事やメルマガ限定記事は無料メルマガで配信しています。
興味がある方は、ぜひ下記のフォームから登録してみてね。
↓↓↓
白鳥澄江の無料メルマガ☆人生がうまくいく方法
★無料メールレッスン「幸運体質を作る基礎トレ」プレゼントもGetしたい方はこちらからどうぞ!
無料メルマガ登録ページ