怪我のときに緊急でフェルデンクライスをするといい理由
昨日は友人が肋軟骨を骨折したので、急遽フェルデンクライスの施術にいってきました。
じつは怪我や骨折、ぎっくり腰などになった場合、すぐにフェルデンクライスの施術をするとしないじゃ予後に大きなひらきがあります。
なぜ緊急にフェルデンクライスの施術が必要かというと、事故の瞬間の筋肉に刻まれた緊急対応パターンを解除必要があるためなんです。
どういうことかというと、打撲や骨折をする原因の多くは事故や想定外の転倒だですよね。
事故や転倒の瞬間、とっさに足をありえない方向に曲げたり、腰をねじるなど、身体が不自然な方向に動くことが多いんです。
さらにわたしたちの身体はダメージを少しでも減らそうとする防衛本能が働くため、衝撃に備えて瞬時に全身の筋肉を固めるようにできています。
これはいってみれば、身体の緊急時の対応パターンとしては正しいんです。
問題は危機が去ったにもかかわらず、転倒の瞬間に筋肉に刻まれた緊急対応パターンがその後もずっと使われ続けることなんです。
これは言ってみれば、火事のあともスプリンクラーが出っぱなしで、アラームも鳴りっぱなしの状態と同じ。
つまり誤作動。
身体にとっては骨折や打撲はその後の身体の使いかたを全面的に変更してしまうほどの生命の危機として認識するんですが、これは怪我の回復やその後の生活にとってはすこぶる都合が悪いんです。
理由のひとつは過剰な緊張は怪我の回復を遅らせること。
もうひとつは脳は事故後も危機が継続していると認識しているので、瞬間的に固めた筋肉をその後も固め続けろという指令を出しつづけることです。
当然、筋肉の動きに影響がでるし、身体の使いかたに支障がでてくるでしょ?
おまけに自分の筋肉がどう動いているかなんて、ふつうは意識しないので、自分が無意識に筋肉を固めているなんて気がつきません。
何十年ものあいだ、緊急時のまま筋肉を固め続けて生活していると、気がつかないうちに身体がゆがみます。
そのまま放置していると、加齢とともに腰や膝など、あちこちに支障がでてきます。
この状態にほかのいくつかの要因が重なると、やがて介護が必要な身体状態へと移行していきます。
逆にいうと、身体のメンテナンスをすることで寝たきりは防げるんですよ。
なので怪我をしたときは病院で診断を受けると同時に、一刻も早く緊急対応をしている筋肉パターンを解除してあげる必要があるわけです。
それだけで回復が早くなるし、後遺症を極力減らすことができるんです。
わたし自身の例でいうと、21歳のときにモトクロスのレース参戦中に転倒して鎖骨を折ったことがあります。
そのときは1か月程度で完治したので、そんな怪我のことなんてずっと忘れていたんですよ。
ところがそれから30年が過ぎたある日。フェルデンクライスの施術を受けている最中に、先生からこう言われました。
「むかし鎖骨を折った? 鎖骨まわりと大胸筋の動きが右側だけ固まっているけど」
もうびっくり。
30年たっても事故の瞬間に固めた筋肉は緩んでいなかったんです。
まして30年ものあいだ緊急時の筋反応を続けていれば、それがノーマルだと私自身も思い込みます。
当然解除するなんていう発想はありませんでした。
40歳を過ぎてから、四十肩や身体のゆがみにずっと悩まされていたけど、まさかその原因が21歳のときの事故だとは想像もしていませんでした。そのとき、先生が筋肉の緊急対応パターンを解除してくれたのはいうまでもありません。
いまでは心と身体を同時に観るフェルデンクライスのプラクティショナーとして私自身が骨折やギックリ腰などのクライアントさんの対応にあたっています。
そんな経験から、怪我をしたらできるだけ早く筋肉の緊急反応を解除したほうがいいということを覚えておくといいですよ。
2022年10月18日
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