16年間で1万人以上の悩み相談にのってきたシャーマンが脳科学・心理学・スピリチュアルな世界の真理をベースにお届けする、魂のミッションを生きるためのロードマップ

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生きること

 
この記事を書いている人 - WRITER -
脳科学と心理学に精通し、16年間で1万人以上の相談にのってきたシャーマン。「信じる力は、世界を変える」がモットー。自分自身を信じる力・愛を受け取る力を育てる方法、激動の時代を乗り切る極意を教えている。 著書「なぜ眠り姫は海で目覚めるのか? 超ネガティブ思考を解除する3つのメソッド
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 10代の頃、生きることが苦しくてしかたがなかった。
 病気、両親の不仲など、それは程度の差こそあれ、どこにでもある問題なのかもしれない。けれど当時中学二年だったわたしはその苦しさに耐えきれず、死のうとしたことがある。
 

 両親のあらそう物音が途絶え、しんと静まり返った深夜の部屋のなかで、わたしはじっと包丁を見つめていた。右手にもった包丁の切っ先が震えているのがわかる。
 手首を切ればこの苦しさから解放される。
 頭が真っ白になってゆく。
 

 闇のなかで無数の目がわたしを見つめていた。
 当時幻視が始まっていたわたしの目には、死の気配に引き寄せられるようにやってきたさまざまな怨霊やら物の怪の類がはっきりと映っていた。心が折れてぼろぼろになったわたしの姿を嘲笑するかのように、かれらは闇のなかで息を殺しながらわたしが手首を切るのを待っていた。
 

 死がけっして苦痛からの解放じゃないことはよくわかっていた。
 かれらの姿は生きる勇気を失ったわたしの末路そのものだった。
 それでも、もう一歩も歩けないと思った。
 

 長い時間、わたしは包丁を見つめたまま闇のなかにすわっていた。
 やがて東の空がしらじらと明るくなった頃、ベットの上に包丁を置いた。
 死ねなかった。
 

 あのときわたしを呼び戻したのは両親やまわりの人間じゃなかった。
 それはわたしの中のちいさな誇りだったのかもしれない。
 子供の頃から両親の争う姿を見つづけ、わたし自身も将来の希望を断たれ、たった14歳なのに生きることに絶望していた。
 

 けれどここで死んだら、わたしの人生はなんだったんだろうと思うと、あまりにも自分が惨めだった。
 こんな気持ちになるために生まれてきたわけじゃない。
 もう死んでもいいと思うまで意地でも生きぬいてやる。
 若さゆえの生命力のなせる業かもしれないけれど、その気持ちがわたしを自殺から救ってくれた。
 

 長じて両親は離婚した。
 あの頃のわたしは離婚そのものではなく、ひとはここまでひとを憎むことができるのかという事実に打ちのめされた。
 

 あれから長い年月が過ぎた。
 先日、電話で北海道に住む母と話した。最近は日曜大工にはまっているらしくて、昼間ものこぎりで板を切って棚をつくったのだとか。おかげで夜はぐっすり眠れるのよと言いながら母は楽しそうに笑っていた。
 

 ひとはなんのために生きるのか?
 

 包丁を握ったまま夜を明かしたあの日から幾度となく自らに問い続けてきた疑問。 
 そのこたえがほんの少しわかった気がする。
 
2007年10月19日

 

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脳科学と心理学に精通し、16年間で1万人以上の相談にのってきたシャーマン。「信じる力は、世界を変える」がモットー。自分自身を信じる力・愛を受け取る力を育てる方法、激動の時代を乗り切る極意を教えている。 著書「なぜ眠り姫は海で目覚めるのか? 超ネガティブ思考を解除する3つのメソッド
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Comment

  1. terry より:

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    今回のコメントを読んで。 ・・・・封印していた記憶がよみがえりました。 3歳の頃、自殺を考えました。アル中で麻薬中毒の父。酒が入ると幻覚をみて、自分や母を殺そうとした父。  夜の川原で、自分をおんぶしている母を突き落とそうと押しまくります。自分は母の背中で恐怖に泣き叫んでおりました。多分この記憶は1歳頃ではないかと思います。  母はいつもアザだらけでした。いつもお腹を押さえて痛みをこらえてました。  だから、自分が死ねば、父の目が覚めて、改心してくれるだろうと・・・。 そんなある日、橋の上から川の流れをじっと見つめておりました。{僕!危ないよ!」と、誰かの声で止めさせられました。今、夜の川の流れの音と飛び込むつもりで見つめた川の流れ、これらが昨日のようによみがえっております

  2. ƿ̾ より:

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    キョーコさまには分かってしまうと思いますが、とりあえず匿名にさせていただきます。 家庭の平和はなにより贅沢ですね。 うちの父は何を考えてるか分からない人なんです。 人の部屋へ勝手に入って郵便物を見たり、私の私物に傷をつけたり、、、 あとストーカーみたいに付回したり。 女性が好きで母を大事にしない人なので、確かに子供の頃から父を嫌ってましたし軽蔑してましたが、 彼から私に発している念は人間離れしているというか、凶暴な雄ゴリラか昔の蛮族みたいです。 襲われそうで怖いです。 ひつこい人を遠ざける何かいい方法ってないでしょうか??

  3. Ryo より:

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     14歳の少女には本当に辛い日々だったんですね。 そのときキョーコさんを救った小さな誇りは、 いまは、大勢の人を励まし元気づける大きな力になっているのだと思いました。   命のピンチを意識したことがあります。 そのとき自分の中の生命力が発動するのを経験しました。 極限状態のなかにあって、必死にもがく自分がいるのに気づきました。 ぼくもそんな自分の一面を誇りに感じています。    いつも励ましていただき、ありがとうございます!

  4. まり より:

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    >楽しそうに笑った なんか私も嬉しいです。

  5. テレサ より:

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    こんにちは。 21歳ごろだったと思いますが、夜中に目を覚ました時、包丁を持って死のうとしている母を泣きながら止めたことがあります。 一番嫌いな人種だと言っていた人間に図らずもなってしまった妹に、亡くなった父に申し訳ないと握った包丁でした。 私が目を覚ましたのは、母に生きろということだったのだろうと思うけれど、「必要なことしか起こらない。」「いつも自分を省みなさい。」と教えてくれた母は何を思ってそれから生きたのだろうかと、今考えています。

  6. テレサ より:

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    メモ帳に綴っていたら色々見えてきました。 人生の後半でまたしても辛く悲しい思いをしなければならなかった母、そしてそれを見てしまった私。この意味も考えました。嫉妬も可愛さも素直に表現出来ず持ち越してしまった感情が起こしてしまった母の失敗。それを見せてくれたんだと思います。 だから、人生山あり谷あり、100点満点で終わらなくても良いんだと思えました。それで、後の誰かが何かを学んでくれたらその人が生きた意味はまた増えるんだと。命って種や遺伝の問題だけじゃなくて、色んな想いも受け継いで進化するんだなと。 同じような感情の流れをする私が母の轍を踏まなければ母の人生は一つ御の字なんだと。 そうやって、時を越えて全部ひっくるめて100点であれば良いんだと感じたんです。 だから、一生懸命生きるけれど、その先にあるものにはこだわるまいと思えたんです。 ありがとう。

  7. ふみちゃん より:

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    キョーコさんも辛かったことをひとつひとつ乗り越えてきたんですよね。 キョーコさんだって子供の頃あったのに今のキョーコさんしか想像できずにキョーコさんは楽々超えてきたと思っちゃってた。ごめんなさい。 小さかったキョーコさんがとても愛しいです。 生きていてくれてありがと

  8. キョーコ より:

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    terry さん 書いてくださってありがとうございます。 思い出す時期だったのかもしれないですね。 とても重い事実に、どう書いたらいいのかわからないけれど、ただterry さんのお心が癒されてゆくのを祈っています。

  9. キョーコ より:

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    匿名さん こんにちは。 書いてくださってありがとうございます。 みんないろんなことを抱えながら生きているんですよね。 >ひつこい人を遠ざける何かいい方法ってないでしょうか?? う~ん・・・・言葉にすると簡単なんですが、毅然として拒絶することです。ただ子供や弱者の場合はそれが難しかったりするので、一概には言えないんですが。。。

  10. キョーコ より:

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    まりさん ありがとうございま~す。

  11. キョーコ より:

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    テレサさん ありがとう。 お母さまを呼び戻すことができて本当によかった。 じつはわたしは人生で二回死のうとしたことがあるんですよ。一回目は上のエントリーに書いた14歳のとき。二回目は26歳のときです。 当時まだ生後半年にもならない長男を抱えて、線路に飛び込もう思って、ずっと電車を見ていました。 夕方で体が冷え切った頃、腕に抱きかかえていた長男がむずかりはじめて、不意にわたしをまっすぐに見上げたんです。 息子の瞳をみたとき、苦しさから逃げたくて、幼い息子の人生までも奪おうとしていた自分自身の愚かさと身勝手さに気づきました。 息子に救われたと思っています。 いつだったか、母もまたわたしがいたから生きてこられたともらしたことがありました。

  12. キョーコ より:

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    ひとはいろんな思いを受け継いで進化してゆくというのはほんとうにそう思います。わたしも母の轍は踏むまいとするあまり、過去心を殺して生きてきた部分がありました。 母は憎しみから離婚を選択したけれど、その決断がなければ憎しみと葛藤を越えた、いまの穏やかな母の姿はなかったと思います。母の生きる姿をとおしてわたしは大切なものを確かに受け取ったと思っています。 わたしも母と同じ選択をしそうですが、ただ形の奥にあるものは心からの愛と感謝です。これも母が極限の憎悪を身をもって見せてくれなければ、ここまで自分を育てることはできませんでした。 ほんとうにわたしたちはたくさんの絆と繋がりのなかで生かされているのだと感じます。それがいっけんネガティブな現象として起こっていたとしても、その奥に深い愛と可能性が眠っているのだと今なら信じられます。 テレサさん、いつもありがとう。

  13. キョーコ より:

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    ふみちゃん ありがとう。 >キョーコさんだって子供の頃あったのに今のキョーコさんしか想像できずにキョーコさんは楽々超えてきたと思っちゃってた。 うん。いつもえらそうだからね(笑)。 冗談はおいておいて、そう思ってもらえているなら、過去の傷を引きずることなく乗り越えられたってことだよね。 ちょっとうれしいです^^ >小さかったキョーコさんがとても愛しいです。 生きていてくれてありがと ありがとう。 わたしも子供の頃の自分がとても愛しく感じます。 よくがんばったなあ。。。と。 ちいさな自分がかんばってくれたから、ふみちゃんとも出会えたんだものね。

  14. ふくゆう より:

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    キョーコさん、ご無沙汰してます! 私はまさに一昨日、人生で何度目かの絶望観を味わいました。 先月父が亡くなってから、悲しむのも泣くのも我慢して頑張っていたんですが・・・先日、自分の中で何かがプッツリ切れて、ブレーカーが落ちたみたいに何もできなくなってしまったんです。 そんな時に人から心をえぐられるような事をされて、堪忍袋の緒が切れ、感情を爆発させてしまいました。 始めは傷つけられた自分が惨めで情けなく、最も理解してほしい人に受け入れられない悲しさでいっぱいだったけど、そのあとに感情的になって人を傷つけてしまった自分がつくづく嫌になって、行き詰まって、人生から逃げ出したくなったんですよね。 それでも、ありがたいことに私を支えてくれる人もいて、最悪の精神状態からは脱しました。そして久しぶりに訪れたキョーコさんのブログで、勇気をもらえました。ありがとうございます!

  15. ƿ̾ より:

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    皆さん頑張っているのですね。 私は子供っぽくて気が小さすぎるのだと思います。 悲しい時にえぐりに来る人いますね。 嫌ですね。でもそういう人ってたいてい耐え切れないほど不幸な気持ちを持ってるんでしょうね。

  16. キョーコ より:

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    ふくゆうさん こんばんは。 >私はまさに一昨日、人生で何度目かの絶望観を味わいました。 先月父が亡くなってから、悲しむのも泣くのも我慢して頑張っていたんですが・・・先日、自分の中で何かがプッツリ切れて、ブレーカーが落ちたみたいに何もできなくなってしまったんです。 そうでしたか。。。。肉親の死はつらいですね。 支えてくださる方がまわりにいて本当によかった。 心底つらいと心も体もまるで機能を停止したかのように動かなくなるんですよね。 どうぞ我慢しないで、思いっきり泣いてくださいね。 気丈にがんばってしまうと、あとになってじわじわと出てくるので、思いっきり感情を吐き出して、弱音を吐いてくださいね。 陰ながら祈っています。

  17. Yacco より:

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    文字数が多い為、分割投稿お許し下さい。 主人(Terry)がコメントしましたので遠慮していたのですが、私の幼少時期も主人と同じような境遇でした。何故か父親のアルコール摂取後は、母が辛い目にあっていました。家のガラスはいつも割れていて、酷いときはお岩さんのように母の瞼が青く腫上がり、外に出られないほどでした。いつも泣き叫ぶだけの私。

  18. Yacco より:

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    思春期を迎えた私は性的虐待を受け、それも誰にも言えず息を潜めていた。我慢ならなくて、ついに爆発しました。「そんな親は、親じゃない。」って・・・10~15歳ころのことでした。その父は、心臓発作・直腸癌末期。20年ほど前に亡くなっているでしょう。離婚したので、消息が判りません。その後、母の職場に「子供は、どちらの姓を名乗ってるのか?」と女性から電話があったそうで、母曰く「お父さんは、死んでしまったんだね」 それでも私は今を生きて、今出来ることを探りながら、前を向いて歩んでいます。家族と共に・・・私の魂が進むべき道を見つめながら。 つい先日ある掲示板で投稿しましたが、何があっても心を強く持ち、ちょっとやそっとでは転ばないわよぉ!って思えました。だって私には、支えてくれる主人と可愛い娘が居てくれるんですものねっ^^

  19. キョーコ より:

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    匿名さん こんばんは。 >私は子供っぽくて気が小さすぎるのだと思います。 こどもっぽくてもいいじゃないですか^^ 匿名さんも一生懸命だったんですよね。

  20. キョーコ より:

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    Yaccoさん こんばんは。 そうでしたか。。。いろいろあったんですね。 ご主人と境遇が似ているぶん、おたがいの痛みを理解しあえるのだとしたら最高のパートナーですね。 >それでも私は今を生きて、今出来ることを探りながら、前を向いて歩んでいます。家族と共に・・・私の魂が進むべき道を見つめながら。 はい。 いまを生きましょう。 おたがいにね♪

  21. ふくゆう より:

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    キョーコさん、匿名さん、コメントありがとうございます! 私を心配してくれた同僚と上司の心使いで、昨日は仕事を休み、1日中これでもか!というくらい眠りこけました(笑) 心身共に元気を取り戻すには、もう少し時間が必要ですが、自分独りで抱えきれなくなった思いを、受け止めて頂けて、嬉しかった・・・私は淋しかったのだと思います。 本当は自分の周りにたくさんの人が一緒に生きているのに。しゃかりきになっているうちに、いつしか孤独な世界に自分から飛び込んでしまっていたんでしょうね。 私は独りじゃなかったんだ!という事を再び思い出せました。 自分を大事にしながら、また誰かのために生き直してみようと思います!ありがとう!皆さん!!

  22. キョーコ より:

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    ふくゆうさん こんばんは。 >私を心配してくれた同僚と上司の心使いで、昨日は仕事を休み、1日中これでもか!というくらい眠りこけました(笑) よかったです。こんなときぐらい思いっきり怠け者になってくださいね~。 >心身共に元気を取り戻すには、もう少し時間が必要ですが、自分独りで抱えきれなくなった思いを、受け止めて頂けて、嬉しかった・・・私は淋しかったのだと思います。 よかった。そういうときはわたしがすぐにお返事を書けなくても、たぶん気がついた誰かがコメントを書いてくれると思います。頼りになる人たちが見守っていてくださるので(笑)。 >自分を大事にしながら、また誰かのために生き直してみようと思います!ありがとう!皆さん!! 応援しています。 がんばりすぎず、『緩む』ことも覚えて、ゆっくりのんびり生きましょう。

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