宮古島ミステリー
こんにちは。
大型で強い台風14号は日本海に抜けたらしいけど、窓の外は相変わらず強い風が吹いています。
雨が降ったり、急に陽が差してきたりと忙しい。
さて明日から旅行に行ってきます。
今回の行き先は沖縄の宮古諸島。
じつは宮古島には数年前に行ったことがある。
その頃わたしは某出版社に自作の小説を持ち込んでは、そこの編集長に読んでもらっていたんだよね。あの頃は持ち込むたびに、アタマが真っ白になるほど厳しい事を言われてたな。
でも家に帰って冷静に自分の文章を読み返してみると彼の指摘はじつに的確だった。そのやり取りのなかで、他人に読んでもらうための文章の書き方というのを徹底的に学んだ気がする。
そんなわけでそのときの宮古入りの目的は当時書いていたミステリー小説の取材のはずだった。
ところが蓋をあけてみたらシンクロと怪異が目白押し。沖縄の多くのユタや北米のシャーマンたちがそうであるように、それは当人の希望と関係なく、神の道に入れという高次の意志からのメッセージだった。
その頃のわたしはヒーリングを本業にしていたけど、いつかは小説で食べていけるようになりたいと思っていたからシャーマンになるなんて論外だったんだよね。
ところがそんなわたしの気持ちなど、まったく意に介さないかのように事態が進行していった。きわめつけは、たまたま知り合った島のユタのおばァに見てもらっていたときのことだった。
宮古島には古くから伝わっている宮古民謡というか、神唄があるんだよね。おばァがそれを唄おうとしたとたん、急に苦しそうにうめきだした。
「あれ・・・おかしいな・・・声が・・・」
おばァの顔が蒼白になっていく。
わたしが呆然としていると、おばァは絞りだすようにこう言った。
「・・・神さまが止めていなさる・・・思い出せ・・・と・・」
そんなことがあって東京に戻って数日たったある日のこと。
親しい友人に宮古の神唄の話をしていたときのことだった。
友人がその唄の歌詞が知りたいというので、わたしは詩を口ずさみ始めた。
じつはあまりにも奇妙なことの連続だったので、島の役場にお願いして島の歴史が綴ってある島誌を取り寄せてあったんだよね。
怪異も小説のネタに使うつもりだったし、そのためにも必要な資料だった。結局、おばァは唄うのは断念したけど、唄のタイトルは教えてもらった。で、島誌をめくると、ちゃんと歌詞がのっているんだよね。
最初のフレーズを読んだ瞬間、友人が悲鳴に近い声をあげた。
またか・・・・こんどは何?
この頃になると、いい加減肝がすわってきていたんだよね(笑)。
「どうしたの?」
「キ・・・キョーコさん・・・龍が・・・龍が・・・・」
「・・・・え?」
「真っ白い龍がいるー!!」
宮古のおばァの言っていた意味がやっとわかった。
その唄は、ある封印を解く神詞だったんだよね。
宮古ではとても親しまれている唄だったけれど、必要な条件がそろわなければ、決して解くことのできない封印だった。
この友人は『視る』能力にかけては超一流と言っていい。
その彼女の目には強烈な龍のエネルギーが渦を巻いているのがはっきりと見えていた。
このとき、わたしは封印の扉を開けてしまったことにようやく気づいた。
その後の自分の人生が世間一般で正常と思われている範囲から逸脱してゆくかすかな予感にただ呆然とその場に立ち尽くした。
でもわたしにとって、いちばんやりたいのは宮古を舞台にしたミステリー小説を書きあげることだった。
それを書き上げたとき、きっと答えがでる。
そんな気がした。
翌日からわたしは不眠不休で小説に取り組んだ。
書けば書くほど、降りてくる幻視と確信に近い物語をただ書き続けた。
そして三週間が過ぎた。
最後の一節を書き上げ、翌日編集者に小説を渡した。
その夜、わたしは前後不覚に眠り込んだ。
たくさんの夢をみた。
そして目が覚めたとき、世界がかわっていた。
わたしの中で小説への情熱が消えていた。
自分の内側から湧き上がってくる思いのすべてを、小説という形で書き上げることができた。
それでじゅうぶんだった。
そしてその日からシャーマンへの道を歩きだした。
熾烈なビジネスの世界と見えない世界に潜む深い闇と光。
どちらも知っているからこそ、従来の枠にとらわれない新しい道を拓くことができる。
それがわたしがシャーマンをやっている意味なんだと思う。
時代はどんどん変わるんだよね。
むかしのわたしは神社や神事に対して、心のどこかで警戒していた。それは形式抜きで精霊たちとともに生きる道を知っている人間からみると、神事にまつわるさまざまな儀礼が心を殺すことになるのを知っていたから。でもいまは、それすらも偏見だったのかもしれないと思う。心がともなっていれば、形はどんなものでもいいんだよね。
数年前の宮古の出来事は小説のネタばらしになっちゃうので書くことはできないんだけど、いつか編集者の机の引き出しの奥深くから日の目をみるときが来るかもしれない。
・・・・って来るのかな、ほんとに(爆)。
でも今のわたしには、それはどっちでもいいことで、必要なときが来れば自然と表にでるものなんだろうなと思ってる。
というわけで、前置きがめっちゃ長くなったけど、今回の宮古島旅行は地元の友人たちとひさびさの再会です。帰ってきたらルポを書くので待っていてくださいね~♪
2005年9月7日
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Comment
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へぇ~連発しながら読みました♪ 宮古島も綺麗なんでしょうね^^ ルポ楽しみにしていま~す!! 楽しんできてくださいね^^
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みずきさん ありがとう~。 ずいぶん前の話なんだけど、なんだか急に書きたくなったんだよね。 宮古島の空気を思いだしたせいかなあ(笑。 いってきま~す!
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うーん、前からキョーコさんとお話してると、 宮古島絡みの、謎ちっくなものがチラチラとあったじゃなーい。 きょうの記事は、わくわくしながら読みましたよ! でも、やっぱりネタあかしまではいかなかった!(笑) 机の引き出しから出てきてほしいわ。 明日からの宮古島、楽しんできてくださいね☆
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宮古に旅立たれたかしら? 人の道って奇想天外。 面白いですね~^^; キョーコさんの小説も良いけど自伝を読んでみたい! こころがともなっていればどんなものでも良い、 最近つくづくそう思います。 いつもありがとうございます~☆ 報告楽しみにしています^^
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ゆみちゃん、あさこさん ただいま帰りました~♪ なんだか濃い四日間で、ちょっと時差ぼけ気味(笑)。 少しずつレポート書いてゆきます~♪
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キョーコさん、素敵な内容ですね、ありがとうございます。私も宮古島には深い縁があって、ここ数年、宮古島の皆様のためにできることをするために通っています。 白龍は、私も2004年に写真に撮らせていただきました。そして、つい最近(旧暦3/1-新暦3/29)”宮古島に龍が立つ日”をめがけて、神事をしに行ってましました。ご興味があれば、私のてぃだブログ http://heartland.ti-da.net/をお読みくださいませ。 最後に、素敵な小説になったことでしょうね、いつか読める日を楽しみにしています。ありがとうございます。
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吉岡さん おはようございます。 そうですか。宮古諸島にご縁がおありなのですね。宮古は自然とともに生きるという素朴な心がのこっている数少ない場所ですね。またわたしにとっても大切な心の故郷でもあります。 ブログ、あとでゆっくり拝見させてもらいますね。ありがとうございます。
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こんにちは 私は宮古島に住んでいるユタの卵です さいきん ついにカンブリを体験しました 死ぬかと思いました これからもきっと試練があると思います 私の人生は奇妙なことばかりです
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Mさん はじめまして。 神様や霊的なことにかかわっていると、いろいろありますよね。 いいユタなれるといいですね。