ヒーローズ・ジャーニー
さて二月。
自己実現という言葉をきいたことがある?
ひと言でいうと、自己実現というのは、「自分の可能性を最大限に実現して生きること」なんだよね。
かくゆう私も、ずいぶん若い頃、自分の可能性を模索して、「人生とは何ぞや」なんて、悩んだ時期があった。
まだ若かったあの頃は、「何者」かになりたくて、さまざまな経験をしながら、「自分」を探したんだよね。
そしてたどり着いた答えが
私は「私」になればいい。
だった。
あるときそれを師筋の方に問われて答えた。
「そなたは、どう在りたいのか?」
「自分らしく在ればよいと思っています」
思えばまだまだ甘かったね。
「では問うが、『自分』は、どのように在ろうとしておるのか? 『自分』は、どこに、どのように立ち、どこへ行こうとしているのか? 自分らしくあろうとしているだけなら、そなたの足元にある石ころも同じ。そなたと石ころは何が違うのか?」
「・・・・・・」
「『自分』とは何ぞや? そなたは誰なのだ?」
若かった私は師筋の問いには答えられなかった。
「自分とは何者なのか?」という問いは、人類の普遍的な問いだろう。
わたしたちは子供から大人に成長する過程で、あるとき自分と他人が違う存在であることに気づく。そして葛藤と苦悩を繰り返しながら、自分という存在のセルフイメージを確立してゆく。古今東西の神話やファンタジー映画などは、誰の心にもあるこうした成長物語をわかりやすく見せてくれるから多くの人の共感を呼ぶんだよね。
1回目のセルフイメージの獲得は10代後半から、就職や進路が決まる20代前半で落ち着く。ま、それも束の間、29歳前後からふたたび「自分とは何ぞや?」の旅レベル2が始まるんだよね。
今度の旅は険しく、厳しい。それまで刷り込まれてきた価値観や常識を見直して、そのひと固有の心の奥の深いところから生まれてくる価値観や本当の意志を構築してゆく作業になる。
このときはとても心細いかもしれない。自分の中に生まれつつある自我はまだか細く、ひ弱な芽でしかない。なおかつそうした自我を育ててゆく作業は多くの場合、それまでの固定観念がガラガラと音を立てて崩壊してゆくと同時に世の中で良いとされてきた価値観と対立せざるを得なくなるからだ。旧来の、とくに戦後の日本人は、ここでチャレンジするのをやめてしまうひとのほうが多数派だった。
それでもなんとか踏みとどまって、20年くらいかけて、この時期を乗り越えることができれば、より深いセルフイメージが育つ。
から元気でもいい。内心びくびくしていてもいい。
自分を信じて行動することで、たとえ失敗をしたとしても、確実に人間としての底力が育つ。それはいずれしっかりと大地に根を張って、ちょっとやそっとの風ではびくともしない大きな木に育つだろう。まさにヒーローズジャーニーだ。
師筋との問答から、どれくらい経つだろう。いつのまにか「自分らしさとはなんだと思う?」なんて、どこかで聞いたような質問する立場になってしまった。もっともわたし自身に関していえば、自分自身に向かって問いを発し、答えを見つけたら潔く捨てる。やっと答えを見つけたと思った瞬間、それは新しい旅の始まりだったりするから人生は面白い。
さて明日は節分。
梅の枝でも探しにいこうか。
2012年2月2日
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