チリ大地震とオリンピック ~ 立春の夢が語るもの 2
26日に『破壊の夢とドリームワーク~立春の夢が語るもの』の記事をアップした翌27日、日本時間の15時34分頃、南米チリでマグニチュード 8.6の大地震が起きた。
さらに欧州では27日からの悪天候の被害が拡大。
フランスでは暴風雨による洪水で8メートルの高潮が大西洋沿岸を直撃。犠牲者の多くは水死だという。
昨夜のニュースで見た津波でひっくり返った船の映像は夢で見たままだ。なにより胸が痛いのは、津波の爪あとがくっきりと残る町で「パパを助けて」と泣きじゃくる男の子の姿だった。
チリ大地震関連のニュースが終わると、こんどは場面が切り替わってオリンピックの閉会式とダイジェスト版が流れた。
感動と共感。
チリ大地震や欧州の洪水といった自然災害とオリンピック。
同時に起きた二つの大きな出来事。この二つの事象を見てどう感じる?
気づいた方もいると思うけど、この二つには大きな共通点がある。
いろいろあるけど、いちばん大きいのは、同じ目的に向かって人々が動くということ。
オリンピックの場合は「オリンピックを成功させる」というはっきりした目的がある。
じゃあこの場合の成功とは何か?
いろんな見方があるけれど、いちばんわかりやすいのは、世界最高峰の選手たちが、それぞれの分野で最高の自分を表現することで世界中で感動を共有し合い、連帯感を感じることじゃないかと思う。裏では政治的な駆け引きもあるだろうけど、それを差し引いても観客も選手も感動を分かち合うことができる。
つまりオリンピックが成功することで私たちが手に入れるのは感動と一体感だよね。ということはオリンピックの本当の目的は、世界中の人々が感動し、国境を越えて一体感を感じることなんだよね。
チリ大地震の場合はどうだろう?
地震後のチリ政府の動き、国際社会の動きをみるとはっきりわかることがひとつある。
それは被災者たちを助けようとする動きなんだよね。
ハイチのときもそうだった。
大きな災害が起きると、民間、公的機関を問わず、私たち人間は助けを必要としている人々になんとか手を差し伸べようとする。
それぞれ方法は違っても目的はひとつ。「
被災した人々を助ける」ということだよね。
じゃあ救援・援助がうまくいったら、そこにかかわった人々は何を得ることができるだろう?
まずひとりでも多くの命が助かる。
苦痛や悲しみが和らぐ。愛する家族が助け出されて喜ぶ。
感謝がわいてくる。
それを見て必死に救助をしたほうも喜びを共有できる。
そのとき多くの人々は自分たちが孤独ではない、ひとりではないことを感じる。
つまりわたしたち人間が「被災した人々を助ける」という行動の裏にある真の目的・動機は「わたしたちは孤独ではない。人間は信じるに値する生きものだ」ということを感じたいんだよね。
別の言い方をすると、感動を共有して一体感を感じることが真の目的ともいえる。
もちろん災害の規模を考えると犠牲者の数はこれからうなぎのぼりに増えるだろう。
状況が明らかになるにつれて悲しみが私たちを覆うかもしれない。
それでもひとりでも救おうとして最善を尽くすことの価値は揺らぐことはないし、「被災した人々を助ける」という目的は変わらない。
そしてそのことによって私たちが得るものも変わらない。
震災後の行動の目的が上記のとおりだとしたら、地震そのものの目的はなんだろう?
地球・宇宙に意志があると仮定して、ちょっと考えてみて欲しい。
目的が対象に与える影響力という観点で大まかに分けると、対人間、対地球(の地殻に対する物理的影響)の二つに分けることができる。
宇宙の意志
→ 地球の動き
→ 大地震が起きる
→ 救助・支援
→ 人間への信頼の回復
→ 共感・一体感
図解すると上記のようになる。
「大地震が起きる」以降の動きはこれまで説明してきたよね。
結果的に共感・一体感が生まれるのだとしたら、宇宙の意志が地震を引き起こす目的のひとつは、私たちがそれを得ることを促すということになる。
そして気づいたよね?
オリンピックの真の目的も地震の目的も、ともに「共感・一体感」を得ることだと。
まったく別の出来事でありながらその目的は同じ。
けれど一方は素直に感動できて、だれもがhappyになれる。
一方は悲しみと苦しみと多くの人的・物理的被害に甘んじたうえでの感動と一体感。
わたしたちはなぜ前者を選ぶ事ができないのだろう?
『破壊の夢とドリームワーク~立春の夢が語るもの』にこう書いた。
内側からの変容は破壊をともなわないんだよね。内面的な痛みを感じつつも、新しい視点、新しい価値を構築しつつ創造が始まる。
地震などの外部からの破壊を与えられなくても、オリンピックに象徴されるようにわたしたちは感動を共有する力を持っている。
なぜオリンピックがあれほど私たちの心を動かすかといえば、そこにドラマがあるからだよね。
選手たちはそれぞれの課題に取り組むなかで、己の殻を破るために必死に自分と向き合う作業に取り組んできた。
だからかれらの今がある。
そして観客の側も分野は違っても、彼らと同じように葛藤を抱えて生きている。
彼らの姿をとおして自分の中にも間違いなく息づいている生きる力を見るんだよね。
だからこそ共鳴して感動するんだよね。
これが内側から変容するという意味。
内側からの変容は人的・物理的なダメージといった破壊をともなわない。
変容のプロセスがそのまま創造のプロセスになる。
わたし達には選択肢が二つある。
無為に時を過ごし、外部からの破壊の波に飲み込まれるか。
それとも自ら脱皮して、創造的に変わるか。
残念ながらチリ大地震は起きてしまった。
それでもなお、わたしたちは未来を選ぶことができる。
そしてそれは、わたしたちひとりひとりの心にゆだねられている。
※ この記事はシャーマンとしての私が見たビジョンをベースにNLP,TOCの手法を使って書いています。チリ大地震ではいまも余震が続き、救助を必要としている人々がいます。こうした現実、さらに今後起きる可能性のある深刻な状況から目をそらすことなく、いま起きている事象の持つ深層の意味を知ることよって、自らの内面と向き合う勇気を奮い立たせる一端になればとの思いで綴ったことをお断りしておきます。
文責 キョーコ
2010年3月2日
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