夢解きのコツ　その２

　気になる夢をみたときの参考に、以前に連載していたメルマガ（魔女のすすめ）の夢に関する記事を載せておくね。
 
　
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『 魔女のすすめ 』 vol.30★☆★　
2006.2.7 発行　　
夢解きのコツ
 

前回は簡単に夢の解釈のポイントをお話したよね。
じゃ、俗にいう悪い夢をみたらどうしたらいいと思う？
 

なんとなく気になる夢をみたので、夢占いの本で意味を調べてみたら、なにやら仕事がうまくいかないとか、恋愛が破綻するとか、いやな解釈が書いてあったら、やっぱりいい気持ちはしないよね。
 
 

夢のメカニズム

そもそも夢はどうして見るんだろう？
人間の心は、自分で意識できる「顕在意識」と自分では意識できない「無意識（潜在意識とも呼ぶ）」のふたつにわけられる。
 

「無意識」の領域には、読んで字のごとく、自分では意識できない感情や忘れてしまった記憶、さらには集合無意識と呼ばれる領域へと繋がっているんだよね。
そして夢のストーリーは、この無意識の材料を使って組み立てられる。
 

ふつうは腹がたてば「ああ、ムカつく」って自覚できるよね。
ところが自分で自分の気持ちに気づかないときがある。
 

たとえば本当は友人に腹を立てているんだけど、その友人を失いたくないあまり怒りの感情を心の奥にしまいこんでしまうことがある。
あるいは俗に言う「よい子」の場合、親に愛してほしいがゆえに、怒りや悲しみなどの自分の本当の気持ちを心の奥にしまいこむ。
 

もうひとつ例をあげれば、本当は職場の人間関係でストレスがたまっているんだけど、自分ではまったく悩みはないと思い込んでいる。でも最近、なんとなく体調が悪いなあ。。。という場合もそう。
 

上にあげたどのケースにも共通しているのは、当の自分が「自分の本音」に気づいていないことなんだよね。つまり無意識のうちにネガティブな感情を心の隅に追いやって、そんな感情は存在していないと信じ込んでいるわけ。
 

今の世の中は「悩みのない明るいひと」が素敵みたいな風潮があるから、暗い感情をもった自分はだめなヤツなんだと思い込んでいるひともけっこう多い。
 

でもね、それは違うよ。
世の中明るいひとばっかりだったら、ものすごく疲れるって。
なにより、悩むのは｢良く生きよう」という向上心の現われなんだよね。
 

あ、話がそれた＾＾；
心の隅っこに追いやられた本音の話だったね。
それはどんなに心の隅っこに追いやっても、消えてなくなったりしないんだよね。この「心の隅に追いやられた感情」は、見つけ出してケアしてあげないかぎり、永遠になくなることはない。
 

人間の心には自浄作用があって、見て見ぬふりをしている本音になんとか気づいてもらおうとするんだよね。それが夢という形であらわれるわけ。
 

つまりいやな夢や悪い夢をみたときは、無意識からのメッセージだと考えたらどうだろう？　
そうすると、悪い夢は気づきのためのとびきり素敵なメッセージになるんだよね。
じゃ、具体的にどう対処したらいいのかはわたしの見た夢を使って説明してゆくね。
 
 

夢に対処する　１ 夢のストーリーを解釈する

■例 1　悪魔から逃げる夢
 

【起】
新しい家に引っ越した。
 

【承】
そこはのんびりとした田舎町で、自然に囲まれた場所。朝、家の近くの坂道を上がると目の前に穏やかに海が見えた。心が開けるような気持ち。
 

【転】
ところが家に戻って家人とここに住みたいなあと話しながら、ふと空を見上げると、上空に仲間を率いた悪魔が近づいてくるのが見えた。わたしは彼らに見つからないように、あわてて娘を衣装ダンスの中に隠した。
とうとう悪魔たちがやってきて、家の中を物色している。
わたしは娘の隠し場所をあちこち変えながら、かれらから逃げ回る。
 

【結】
いつのまにか人形になった娘の首を抱えて歩く。
最後はどうなったのか覚えていない。
 
 

さてこの夢は起承転結でわけて書くと、上記のようになるんだよね。要約すると、気に入った場所に引っ越したはいいけど、突然悪魔がやってきて、大切な娘をかれらに見つからないように隠すという内容だよね。
ここでポイントになるのは引越しと悪魔の存在、娘を隠すという行為だよね。
 

さらに重要なものの意味をみていくと、
 

・引越しは環境・心境の変化をあらわす。
・坂道の向こうの穏やかな海は、順調な運気とか、いい展開。
・悪魔や犯罪者・モンスターが夢にでてきた場合は、自分のまだ自覚できていない気持ちをあらわしている場合が多い。
・隠すという行為も同じで、何かに気づく必要があるんだけど、気づきたくなくて必死で隠しているんだよね。
・タンスは心全体、無意識の領域を象徴している。
・娘は、この場合は自分にとっての大切な何かをあらわしている。
 
 

あれ？　ここで、いくつかの意味が重なっているのに気づいたひともいるかも。
悪魔も隠すも娘も、｢気づきたくない気持ち」に関係していることがわかるよね。おまけに隠し場所がタンスでしょ。タンスは無意識をあらわす。つまり無意識の中に存在する「なんらかの感情」を閉じ込めているんだよね。その気持ちを象徴しているのが娘の存在。
 

そしてそれは自分にとって大切なもので、気づいてしまうと状況を大きく変えてしまう感情なんだよね。状況が変わるというのは、冒頭の引越しに象徴されているわけ。
 

つまり通しで読んでいくと、
「気づかなければいけない感情があって、それはとても重要な感情。ところがそれに気づくと、自分を取り巻く環境が大きく変わってしまうため、気づきたくない」
と解釈できるわけ。
 

冒頭に引越しのシーンがでてきたのは、あえて結果とプロセスを逆に組みたててあるんだよね。で、私が自分の気づきたくない気持ちに気づけば、冒頭の引越しに繋がる。このあたりはなかなか手がこんでいるよね（爆）。
 

ラストのほうで、隠したかった娘の姿は人形に変わる。
それも首から上だけ。
これはどういう意味かっていうと、人形から何を連想する？
人間と人形の大きな違いは、血が通っているかどうか、つまり生きているかどうかなんだよね。
 

さあ、ここまで読むと隠したがっていたものの正体が見えてくるでしょ？
血の通わない感情、つまり死んだ感情。でも首から上の頭の部分なので、重要だった感情だってことがわかる。だけどそれはもう不要な感情なんだよね。だから悪魔がやってきて、それを表にひっぱりだそうとしているんだよね。この夢は結局娘が見つかったかどうかわからないまま終わっているね。
 
 

そこでこんどは別の角度から夢をみていこうか。
 

夢に対処する　２ 夢の登場人物になってみる

 

さて夢にでてくるすべてのものは、じつは自分の分身をあらわしているんだよね。自分の中にあるあまり認めたくない感情や別の側面といいかえてもいい。
 

心理カウンセリングというのは、じつはこの「あまり認めたくない感情」を見つけだして、ケアして、受け入れてゆく作業でもあるんだよね。この作業が進めばすすむほど、自分という人間のいい点も悪い点も受け入れられるようになっていく。
 

つまり、自分が好きになるんだよね。
これが自己受容ってことだし、精神世界でいうアセンションの王道でもある。
 

そう考えると、夢っていうのは自分を知るとてもいい手がかりになるんだよね。夢を使って自分の無意識にアクセスして大きく自己変容をする手法としては、アーノルド・ミンデルのプロセスワーク（ドリームボディワーク）が有名だけど、それ以外にもフォーカシングやゲシュタルト療法などさまざまな方法がある。
 

ここではミンデルのやり方を誰でも手軽にできるようにちょいとアレンジしてやってみよう。
ふっふっふ。方法は簡単。
夢の中の登場人物になってみればいいんだよね。
 

ここで重要なのは悪魔なので、悪魔の気持ちになってみましょ。
小学校の学芸会で劇をやったときのことを思い出してみて。
それぞれ自分の役柄の気持ちを考えて演技をするよね。
それと同じで、実際に家の中で悪魔の役になったつもりで体を動かしてみるわけ。
 

悪魔の首領が仲間を引き連れて空を飛んでいるところからストーリーが始まるんだよね。
悪魔は好奇心いっぱい。
なにか面白そうなことはないか、獲物は居ないかと地上を見下ろしていると、田園の中に小さな家がみえた。
そこに女の子がいる。
 

「おっ・・・」
悪魔はさっそく家の庭に下りると、女の子を探し始めた。
悪魔の首領にになりきって、その気持ちを感じてみると、あら不思議。
なんだかとってもワクワクしている。
素敵なものを見つけて、もっと近くで見てみたいという、まるで子供のような素直な好奇心に満ちていたんだよね。
けっして悪意や危害を加える気持ちはないの。
 

あれれ・・・そうなんだ。
悪魔は「こう思われるに違いない」と自分で勝手に思い込んでいる他人の視点でもあるんだよね。周りの人の本当の気持ちじゃなくて、わたし自身が作り上げた周りの人のイメージとでもいったらわかりやすいかなあ。
 

ところが悪魔の役柄になりきって、悪魔の気持ちを感じてみたら、自分が思っていたのとぜんぜん違う。自分の中の認めたくない感情を表に出したら、ひとに嫌われるような気がして必死に隠そうとしていたけれど、もしかしたら悪魔の心はもっと広くてあたたかいのかもしれないと思いはじめている自分を発見。
 

この時点では、自分の感情を隠さなくてもいいのかもしれないと思い始めたものの、まだ隠したい感情が何なのかまではわからなかった。
さてこの夢を見た一週間後に、さらに関連のある夢をみる。
自分の隠したかったのがどんな感情かわかったんだけど、それを書くと長くなるので、時間があればブログにでも書くね。
 

応用編　地震の夢はどう解釈する？

 

夢との上手な付き合い方のコツがわかると、夢の内容に一喜一憂しなくなる。すべての夢は無意識からのメッセージなんだよね。
大切なのは、その情報の取り扱い方なんだよね。
そして個人の無意識と個人をとりまく外部環境は繋がっているので、夢をとおして押さえつけられた感情や課題に気づくことができれば、物理的な外部の状況や人間関係もかわってくる。
 

基本的に予知夢も取り扱い方は同じ。
さてせっかくだから提案をひとつ。
年末から年明けにかけて、地震の夢をみる人がけっこう多かったよね。もし地震の夢をみた人がいたら、それをこの方法で解釈してみるとおもしろいかもよ。
 

地震の夢だからって、びびってはいけません。
解釈の方法は普通の夢とまったく同じ。
 

　1 内容をできるかぎり細部まで思い出して詳しく書く。
　　起承転結を意識して書くと、流れが整理されてくるよ。　
　　夢の中で感じた感情面、ちょっとした違和感も大事。　
 

　2 ドラマを観るつもりで、全体の流れをつかむ。
 
　
　3 気になるキーワードや人物、物や風景から連想されるイメージを感じてみる。もし夢辞典などを使うなら、不二龍彦さんあたりがおすすめ。まあ参考程度にね。
 

　4 自分以外の気になる登場人物、あるいは物の役になってみる。
　　地震の場合は、大地の役になってみるといいかも。
　 この時に感じた気持ちがひとつのポイント。　
 
 

たいていの夢辞典をみると、地震の夢は精神的基盤が崩壊することを意味すると書いてあるけど、それで恐怖を感じる必要はないから安心してね。
上のわたしの夢と同じで、人が成長したり、何かに気づくときは古い価値観が壊れる。それはとても怖いよね。その怖さが地震や津波などの、さまざまな恐怖を感じる夢となって現われるんだよね。
 

心の中身と地球という外部環境は、密接な関係があるんだよね。
外部環境の変化として地震やトラブルという形で現われるか、夢という形であらわれるか。
どちらにしても、そろそろ気づく必要のある感情に気づけば心が楽になって、わたしたちを取り巻く外部環境もまた変わる。
 

気楽に劇を楽しむつもりで、夢で遊んでみてね。
 
2006年11月7日

 
【ブログ中参考記事】
・『目覚めたら世界が変わる？　夢使い入門編』 １　夢の効用　私がピンチに強いわけ
・『目覚めたら世界が変わる？　夢使い入門編』 ２ 実践　夢をコントロールする方法　怖い夢
・『目覚めたら世界が変わる？　夢使い入門編』３ 実践 夢をコントロールする方法 　夢からアイデアをもらう
・夢解きのコツ　その２
・４　目覚めたら世界が変わる？　夢使い入門編　 実践　夢ワーク「５年前のあの日の悪夢をめぐる冒険①」
・５　本当に欲しいものは？　実践　夢ワーク「５年前のあの日の悪夢をめぐる冒険②」～目覚めたら世界が変わる？　夢使い入門編　 」
修羅場の向こうにある景色　６　目覚めたら世界が変わる？　夢使い入門編　 実践　夢ワーク「５年前のあの日の悪夢をめぐる冒険③」
 

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