情報戦の手の内を知ろう 【心理の専門家が教える戦争の時代を生き抜く技術 3】
さて情報戦の元になる世論操作の代表的な方法は5つあると話しましたね。
ひとつずつ解説していきましょう。
情報操作
これは自分たちに都合のいい情報だけを切りとって一方的に流したり、都合の悪い情報を隠蔽、あるいは意図的に捏造した情報を流すことです。
・自分たちに都合のいい情報だけを流す
・意図的に都合の悪い情報を隠蔽する
・情報を捏造する
「情報戦とはなにか?」で勢力圏=情報圏と言いましたね。
意識的に調べない限り、わたしたちが目にする情報のほとんどが米英・欧州圏のフィルターのかかった情報なので、客観的な情報を得ることが難しくなっています。
偏った情報を鵜呑みにすることで、いま目の前で起きている出来事の解釈を間違える可能性が高くなります。
これは米英・欧州圏のフィルターのかかった情報がダメと言っているわけではありません。クレムリンやイスラム、中共だって当然情報操作をしています。
それをわかったうえで、さまざまな勢力圏の情報を比較することで、全体の絵が俯瞰しやすくなるため、いま起きていることをより正確に把握できます。
さらに繰り返し同じ情報を聞かされることで、わたしたちはいつのまにかその情報が正しい・常識だと思い込んでしまうんです。
繰り返しは典型的な手法のひとつです。
たとえば選挙で候補者が自分の名前を連呼しますよね。
何度も繰り返し名前を聞かされたり、演説する姿をみることで、その候補者はまったく未知の人物ではなくなり、わたしたちはなんとなくその人物に親近感を感じるようになります。
CMも同じです。
たくさん商品が並んでいる中から一つだけ選ぶときは、つい名前を知っている商品を選びがちですよね。
これもこうした人間の性質を利用しています。
ウクライナ危機が勃発してからクレムリンと西側諸国の情報戦・心理戦が激化しているので、メディアから流れてくる情報を鵜呑みにせずに、一歩ひいてみることが重要です。
レッテル貼り
これは貶めたい相手にネガティブなイメージを喚起させるようなレッテルを貼る方法です。
たとえば「独裁者」「悪の枢軸」「反日」「陰謀論者」「コロナ脳」といったレッテルを貼ることで、相手に対するネガティブなイメージが固定化されます。
レッテルを貼ることで、わたしたちは思考停止に陥り、それ以上相手を知ろうとしなくなります。
本当は相手も一人の人間なので、いま目の前で起きている状況にいたるまでにさまざまな思いや歴史があったはずです。
お互いを知ろうと努力することでしか、人間は理解しあうことができません。
ところがレッテル貼りをすることで視野が狭まり、そうした機会を奪ってしまうんです。
たとえば最近は「プーチンの精神状態がおかしい」という論調が目立ちます。
これも相手の人格や人間性そのものを貶めることで、恐怖を拡散させて、相手を孤立させる典型的な手法です。
また湾岸戦争でもこの手法がとられましたね。
イラク=悪の枢軸国
多国籍軍=正義
この善悪二元論的なレッテル貼りが次項の敵の創出につながっていきます。
敵の創出
これはわかりやすい敵を作り、物事を単純化することによって、わたしたちの思考力を奪い、コントロールする方法です。
これには二種類の方法があります。
1)外敵をつくる
歴史を振り返ると、古今東西、多くの支配者は国民の不満を外敵に向けるという方法をとってきました。
わかりやすい敵を作ることで、国内が団結し、問題の本質を覆い隠してしまう効果があるんです。
レッテル貼りでも触れましたが、湾岸戦争でのフセイン大統領、911でのビンラディンなどが典型例です。
2)内部で争わせる、分断する
2000年から2010年くらいにかけて旧共産諸国や中東を中心に起きたカラー革命を覚えていますか?
2003年のグルジアのバラ革命、2004年のウクライナのオレンジ革命、2005年のキルギスのチューリップ革命、2010年のチュニジアのジャスミン革命などがありましたね。
ジャスミン革命では、体制に不満をもった若者がFacebookやTwitterを駆使して繋がり、当時長期独裁だったベンアリ政権を倒しました。この民主化の波はドミノ倒しのように中東各国へ広がっていきました。
なぜ宗教でも特定の政党でもない、若者たちが草の根で繋がり、独裁政権を倒すことができたのか?
じつは民主化運動の陰に、米情報機関の関与がありました。かれらは才能のある若者にリーダー教育、援助を行いました。その後ろにはジョージソロスが率いるオープン・ソサエティ財団が関与しているという指摘もあります。
西側視点でみると民主化によって、人々が自由な生活を手に入れたように見えます。
けれど俯瞰した視点でみると違った側面が見えてきます。
内乱を起こし、その国の体制の弱体化させることで、得をするのは誰でしょう?
実際にカラー革命後の多くの国では内戦が続いて政情不安定になり、庶民は安定した暮らしを手に入れていません。
また分断統治といって、嫉妬や攻撃性をあおり、国民どうしを対立させて戦わせることによって、支配者層の汚職や本質的な問題から目をそらせることで長期政権を維持する方法もあります。
若者対老人、中流層対貧困層、民主対自民、ワクチン派対反ワクチン派、などがそうです。
※ 社内の話は友人によくよく確認したところ、典型的な分断統治の事例としてあげるには不十分だったことがわかり、この部分は削除しときます。
なおいじめは分断・レッテル貼り・集団心理の利用が重なり合っているケースが多いです。
集団心理の利用
これは孤立したくないという人間の自己防衛本能を利用して、同調圧力をかける方法です。
上記の情報操作、レッテル貼り、敵の創出などと並行して、集団心理も利用されます。
第二次世界大戦中のユダヤ人迫害にもこの集団心理が働いていました。
また日本ではコロナ禍におけるマスク警察がわかりやすい例ですね。
視聴者の感情を揺さぶる
これは私たちの感情、とりわけ同情や共感、純粋な愛や善良さを逆手にとって、わたしたちをコントロールする方法です。
おもに映像や写真、体験者の声などが効果的に使われます。
1枚の写真、短い動画のインパクトは絶大です。
理屈よりも感情と五感に直接訴えかけてくるからです。
今回のウクライナ危機ではTVやSNSで、戦時下の人々の姿と思われる動画や写真、ツイートがアップされています。
幼い子どもの姿や市民の平和を望む声。
こうした動画はダイレクトにわたしたちの愛や良心に訴えかけてきます。
多くのひとが心を痛めているし、戦争が早期に終わることを願っています。
けれどここでちょっと考えてみてください。
その映像が真実である保証はありますか?
これだけ技術が発達した世の中です。
加工した動画や過去の写真を偽って流すこともできます。
世論操作をする側は、こうした動画や写真を使って意図的にわたしたちの心に揺さぶりをかけて理性を麻痺させ、思考力と判断力を失わせます。
その意味で非常に卑劣な手法と言えます。
まとめ
以上、世論操作の5つの手法をご紹介しました。
いま心を揺さぶられる映像や一方的な情報が氾濫しています。
心理の専門家が教える戦争の時代を生き抜く技術シリーズを通じて、そうした情報に惑わされずに、真の平和を探るために最低限必要な情報戦の知識についてご紹介しました。
もしネットやTVを観て、強い怒りや悲しみを感じているなら、ちょっと立ち止まって自分の気持ちをチェックしてみてください。
どのニュースを聞いて、そんな気持ちになったのか?
どの言葉が心に強く響いているのか?
どのニュースのどの言葉や映像によって、そう考えるようになったのか?
そのニュースキャスターの意見以外に方法や考え方、情報はないのか?
自分で自分に突っ込みをいれることで、情報操作に加担することを未然に防ぐことができます。
ぜひ今日から5つの世論操作を意識してみてくださいね。
(つづく)
2022年3月7日
◆参考記事
シャーマンの視点でみたウクライナ危機 2022年3月9日
情報戦の手の内を知ろう 【心理の専門家が教える戦争の時代を生き抜く技術 3】 2022年3月7日
情報戦とは何か? 【心理の専門家が教える戦争の時代を生き抜く技術 2】 2022年3月4日
心理の専門家が教える戦争の時代を生き抜く技術 1 2022年3月2日
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