地震・拮抗する力
わたしはシャーマンなので、自分のかかわる範囲での大地や宇宙のエネルギーの動向をリアルタイムで感じることが多々ある。
それはちょうどGWの半ばのこと。
神々と交流しようと目を閉じたとたん、大きな金色の光を放つ龍の姿が見えた。
その龍はすさまじい神気を放ち、激しく動こうとしている。
大地を突き動かし、すべてを飲み込み、破壊する力。
地球そのものが大きな変動期を迎えているのは事実だし、古神道風にいえば、禊とか浄化・アセンションなんて言葉で呼ばれていたりもするよね。
でも正直言って、それはとんでもないエネルギーだった。
こんなものが本格的に動き始めたら、生き残れる人間なんてひとりもいない。
わたしは左肩に龍の発するしびれるようなエネルギーを感じながら、さらに心眼でじっと龍を見つめた。
すると最初はあまりのすさまじさに気づかなかったんだけど、よく見ると龍は自由を拘束されていた。鋼のような重たい爪が龍の体の一部をがっしりとつかんでいる。そのくびきから逃れようと、あたりに神気を撒き散らしながら激しくのた打ち回っている。
わたしは息をのんだ。
鋼のような爪をじっと見つめると、それは力強い凛とした女神のエネルギーそのものだった。
――いまは、それはさせぬ
物言わぬエネルギー体から、はっきりとした強い意志が伝わってくる。
破壊と浄化を加速し、あたらしい世界を創りあげようとする力と今あるものたちを守り、現状にとどまろうとする力。
龍と女神――陽と陰というふたつのエネルギーはたがいに拮抗していた。
ふいに女神のエネルギーにリンクして、なんともいえない波動がはいってきた。
そっと扱わないと壊れてしまいそうなほど繊細でやわらかくて、幼い子どものような思い。
――置いていかないで・・・・ここにいて・・・・ひとりにしないで・・・・。
まるで泣きじゃくる子どもだった。
・・・・・ああ・・・・そうか・・・・そういうことか・・・・。
わたしはうなった。
つまりこういうことだ。
神々やエネルギー体と呼ばれる存在というのは、存在じたいが多次元的というか、無数の波長レベルにおよんでいるんだよね。
太陽の光をプリズムに通すと七色に分かれるよね。あれはそれぞれの色の波長が違うせいだよね。わたしたちが感じる太陽の光は、長波長の赤外線から可視光線(赤~紫)、そして短波長の紫外線まで、幅広い色を含んでいる。でもふだんはプリズムを通してみているわけじゃないから、光の中にはいろんな色があることをつい忘れてしまうよね。
神々もそれと同じ。
たとえばスサノオノミコトを例にとれば、ひと言でスサノオノミコトと言っても、無数の次元レベルがある。
一般的にチャネリングなどでアクセスする場合、自分のアクセスできる範囲でしか捉えられない。だからズバっと言っちゃうと、比較的人間界に近い波長レベルにいるスサノオノミコトは人格神だし、人間くさくて個性もある。
けれど同じスサノオノミコトであっても、波動が高次元というか、精妙になってゆくにしたがって、スサノオノミコトは人格神ではなく、姿形のないエネルギーそのもの、宇宙そのものの存在になってゆく。
色でたとえるなら人間界に近い段階にいる愛すべき神霊であるスサノオノミコトは緑、いっぽう高次元の光そのものの段階にいるスサノオノミコトは広大な白銀の光といった感じ。もちろんこれはすべての神々やスピリット、そしてわたしたち人間の魂にもいえる。
わたしは上記の描写で龍と女神と書いたけれど、本当はどちらのエネルギーにも姿はないんだよね。ただそのエネルギーの質をブログなどで表現するのためには、なにかしらエネルギーに名前をつけないと伝えられない。
だからエネルギーの質を自分の中の認識パターンと照合して、いちばんぴったりくる名前が女神と龍なので、そういう表現方法を使っています。
さて話を戻すけど、ひとつのエネルギー体は多次元にわたって存在すると書いたよね。
つまり龍を抑えている女神はとても精妙な高次元の状態なんだけど、その女神の系列をとおって波動の粗い人間の次元に降りてくると、「置いていかないで・・・・」という泣きじゃくる子どもにたどり着く。これは実際の子どもというより、大人たちの心の中にいる傷ついたインナーチャイルド、あるいはサブパーソナリティーたちなんだよね。
ひらたく言えば、いま精神的に辛くて、自分の殻から一歩踏み出す勇気のないひとも多いと思う。現状を変えるのがこわい気持ちや不安でいっぱいのひともいる。そしてそんな自分が許せなかったりして、また自分を責めて悪循環に陥っているひともいるかもしれない。
でもね、自分のなかにある、現状にしがみついて踏み出す勇気がない部分にも、じつはとっても大事な意味がある。
先の女神を思い出してほしい。
龍が一気に動いたら、天変地異は人間の耐えられる範囲を超えてしまう。そうなってしまえば、創造もなにも、元も子もないわけ。だから女神は強い意志で龍の動きを止めようとしている。もちろん完全に止めることはできないから、動きを小出しにしているって感じかな。そうしながら人間の準備が整うのを待っている。
つまり女神の役割は龍の動きをコントロールするタイムキーパーでもあるわけ。
自分の中の幼い心、不安や恐怖や、変化をとめるさまざまな気持ちも同じ。一気に変化すれば、さまざまな亀裂や軋轢がでてくるかもしれない。あるいは急ぎすぎて道端に咲いている花の美しさを楽しめなくなってしまうかもしれない。
でも自分の中の「置いていかないで」という気持ちに耳を傾けてあげれば、そうしたいっけんネガティブな気持ちは本来の力を発揮して、上手にタイミングを読んでスムーズに変化できるように導いてくれる。あるいは豊かな感性や素敵なプレゼントをもってきてくれる。
そして自分の中の不安や恐怖といったネガティブな感情は、プリズムを通した光と同じで、その存在を認めて受け入れて、本来の魅力を引き出してあげれば、それはいずれ龍を抑えていた女神に成長する。
地殻変動をはじめとした地球のエネルギーの変化は、個人レベルでは自己受容・変化・成長
という形になってあらわれるんだよね。
わたしは大きく息を吸うと、一歩離れて拮抗するふたつの勢力を眺めた。
――その瞬間、
龍と女神を越えた、なにかとてつもなく巨大なエネルギーを感じた。
それはかすかに微笑みながら、拮抗する陰と陽のふたつの力を見守っていた。
ただのひとりも取りこぼさぬように・・・・・と・・・・・・。
大きな、計り知れない力にわたしたちは守られている。
そう、もしかしたら・・・・・
わたしたちは、宇宙という手のひらで遊ぶ孫悟空なのかもしれない。
2004年5月7日
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