きっとだいじょうぶ
ひとりの人間の心のなかにはサブパーソナリティーと呼ばれる、さまざまな側面がある。
最近のブログの内容はわたしのサブパーソナリティーの中でも、繊細でアーティストタイプの奴が表にでているなあと思っていたら、先日クライアントさんに、「キョーコさんって、ずっとスーパーウーマンだと思っていました」と言われてしまった(笑)。
う～ん・・・・よくそう言われる。
でもそうじゃないんだよ。ほんとは。
いまそれなりに痛みや苦しさと向き合えるのは、長年の自分の気持ちを見つめるという習慣のたまものなんだよね。
若い頃は感受性が豊かすぎて生きることが苦痛だったり、ふつうの仕事をふつうに継続してゆこうとすると人の倍以上の努力が必要だったんだよね。当時の友人の何人かに占い師がいて、異口同音にいわれたのが「この星まわりの持ち主は浮き沈みが激しくて、ふつうに生きてゆくことが難しいのよね」だったぐらいだから。
いまでこそ自分に素直に、わりと躊躇なく好きなことをして生きているけど、26歳ぐらいまでは自分のなかでたくさんの縛りがあった。バイクで峠を走りながらも、「いい妻」「いい母」「いい娘」、究極は「役に立つ人材」でいることに強くこだわっている自分がたしかにわたしの中にいた。
なぜあれほどこだわっていたんだろう。
それは「役に立つ人材」でいなければ見捨てられると思っていたからなんだよね。
そう思い込むプロセスはひとさまざまだと思うけど、わたしの場合は原因がふたつあった。
ひとつは家庭環境の問題。
両親が不仲なのは自分が「いい子」じゃないからだと思い込んでいたんだよね。だから自分の気持ちを殺してでも親の気にいるいい子になりたかった。そうすれば両親が仲良くなってくれるに違いないと思っていたんだよね。
ただ誤算だったのは、自分の本当の気持ちと親の望むわたしの姿のギャップが大きすぎたこと。
自分を殺し続けるうちに、いつのまにか「ありのままの自分」でいることそのものが悪いことだと感じるようになっていった。だからやりたいことをしようとすると、もうひとりの自分がいて、そいつが止めにはいるんだよね。「親はそれを望んでいない」と。
もうひとつは病気でしょっちゅう入退院を繰り返していたこと。
なんの役にも立たないどころか、家族に迷惑ばかりかけている自分が情けなくて、申しわけなくて、お荷物でしかない自分の存在そのものがつらくて、どこにも自分の居場所がないように感じていたんだよね。
おとなになって結婚したとたん、子供の頃から抱えていた問題が表面化しはじめた。
結婚当時、わたしが「いい妻」でいることにこだわったのも、夫からみた「いい妻」の役割を演じなければ見捨てられると思っていたからだった。
これはわたしの「見捨てられる恐怖」がつくりだした幻想でしかないんだけど、当時のわたしには絶対的な恐怖だった。いま考えると、おたがいを思いやる愛情ではなく、執着と共依存のなかでスタートした結婚生活だったことも大きな意味があったんだよね。
自分を取り戻そうと決心したのは上の子が１歳になった頃だった。
当時のわたしは籠の中の鳥だった。
たとえば昼間ママ友達と一緒に子供を連れて近所のマクドナルドに行くのでさえものすごく勇気が必要だった。
これはわたしの思考パターンのなかに「父親の許可なしに外出しちゃいけない」という刷り込みがあったせいなんだよね。そして父親というのが結婚後は夫にすりかわったわけ。もちろん籠の鍵は最初からあいていたんだけど、ずっと籠からでちゃいけないと思いこんでいたんだよね。
ママ友達とマクドナルドに行くというところからスタートした「本音で生きる、ありのままの自分にYESといえる自分になる」プロジェクトだったけど、身近な人間関係のなかで自分の気持ちを表現することが、相手を失うことに直結するという長年の思考回路はそう簡単には変わらなかった。
自分でいること、執着や依存ではなく自分の意志でひとと共にいることが出来るようになるのに10年以上の歳月がかかった。
ある程度いろんなことを乗り越えてきて、ここにきてようやく大きな課題が目の前にあらわれた感がある。
たぶんこれはわたしだけじゃないと思う。
内容は違っても、きっと多くの人がそんな状況にいるんじゃないかな。
それまでの人生観を覆すような出来事が起きたり、向き合わざるを得ない心の痛みが表面化してりね。
とくに見捨てられ恐怖や失う恐怖はなかなか手ごわい。
でもだいじょうぶ。
きっとうまくいく。
たぶんそれを伝えたくて、このところわたし個人の話を書いていたような気がする。
10年かかるかって？
きっとそんなにかからない。
わたしはゆっくり迂回しながら山道を乗り越えてきたから10年かかったけど、いま向き合っているひとたちは方法さえ覚えれば直線距離で山頂までいくからずっと早い。
そのぶんしんどいけど、きっと乗り越えられるよ。
あなたがありのままの自分でいても、あなたを信じて受けとめてくれるひとがきっといる。
そして誰よりもまずあなた自身がありのままの自分を受けとめてあげて。
あなたのなかの弱さや悲しさはあなたの中の宝物だよ。
その痛みを知っているからこそ、ひとの痛みを愛することができるんだよね。
だいじょうぶ。
きっと望んだ場所にいけるから。
2007年11月26日
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Comment
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なんか自分に言われてるみたいです。 ありがとう御座いました^^
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号泣してしまいました(:_;)少しづつですが､色んな事､信じていけたらと思います｡ありがとうございます､キョーコさん｡
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そうね、ありのままでいて心地良くいられたらどんなに幸せだろうと みんな思ってると思いますね。 ありのままいて、あれはこうしなければならないとか、これはこうしなければ ならないとか制約を受けるのもしんどいものがありますけど、私はコレでした。 その都度、「はい～」と返事してました。馬鹿の証明？（笑） でも今は、なんとなく流せるようになってきました。＾＾ 歳とったのかな？ 歳取ってきゅうきゅうな気持ちで生きる人もいますけど、どんどん大らかな 人間になっていきたいですね。 追伸 元気そうで良かったです♪＾＾えへへ♪
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私もなんだか自分の事を言われてるようでした。小さい頃から孤独になるのが怖かった。親が居なくなったら、今の彼が居なくなったら…と恐怖心と依存心が常にありました。今でもそうだけど。まだ自分がこれからどうすればよいか全然分からないけど少しずつでも行動していきたいです。ありがとうございます！
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皆様に同じく・・・「自分に言われてるみたい」・・・ 例えば、自分の本音を殺して会社の命令でニューヨークに出張して世界を股にかけて大企業で活躍するよりも、自分の意志で「ママ友達とマクドナルドに行く」事の方が、魂にとっては はるかに大事業 ですね。 恐怖なんて無いって理屈ではわかっていても、実生活だとなかなか臆病が直らない・・・です。「あなた自身がありのままの自分を受けとめてあげて」って、そうですね。ありがたいお言葉。太陽・・・ですね。 「弱さや悲しさはあなたの中の宝物」この言葉もじ～んと来ます。・・・いろいろと。
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10年ですかー。 経営でもやっぱり10年やってこそ一人前というのは、よく言われます。 一つのことをコツコツやってできるようになったように見えても、 10年（10サイクル）経たないとほんまもんにならん、という・・・。 だから大変なんですけど、逆に言えば、10サイクルこなせることができれば 変わることができる、ほんまもんになれるってことだと思ってます。 世の中の変化のスピードは、早いように見えますし、 なんだか取り残されそうな気になりますが、実はコツコツやった者が 最終的に強くなれるんでしょうね。
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つづき） まぁ、しかし子供の頃は、そんなことわかんないから大変ですよね・・・。 偶には逃げてもいいから、概ね立ち向かえば、いつかは乗り越えられる、 というのが10年なのかもしれませんね。 10歳と20歳では、全然違いますし、20歳と30歳でも全然ちがうし、 30＝＞40、40＝＞50でもまた、全然ちがいますしね。 こういうの早いとこ教えてあげられるような仕組みがあればいいんですけど・・・。 自分でもこのエントリ読んでなんか「頑張ってれば、いつかは変わるし報われるよ」、 という気がしました（笑） いつも心に届くエントリありがとうございます！
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背景、今まで遭遇してきた出来事と、程度の大小の違いこそあれ、ほぼ同じようなことを考えて生きてきている方が（意外にも近くにw）いらっしゃったことに、正直びっくりしました。 と同時に、勇気付けて頂きまして、ありがとうございました♪ にしても、ぼんさんの言葉は、重みがありますねー。 参考にさせていただきます。
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+-さん どういたしまして＾＾
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アヤさん >色んな事､信じていけたらと思います｡ きっとできますよ。 信じる気持ちは、信じようという意志をもつところから始まります。 アヤさんが望むならきっとそうなりますよ♪
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こんにちは。 子どもって、親に先立たれても自分のせいだと思うようなところがあるらしいですね。黒柳徹子さんがおっしゃってました。辛い環境にあっても絶対に周りを責めないって。 分りますよね～。思い返しても自分って良い子だったわ。何処いったんでしょ？ そんな自分を押し殺して大きくなると、なんだか他人を滅多切りな人間になってしまったりしてましたね～。切られる前に切る、みたいな。 そんなこんなでやっぱり私も10年のくちです。なんとか自分を好きで居られるようになったけど、学ぶことは山ほどありますね。 最近ね、「勉強」と言わないで「学ぶ」ということにしたんですよ。なんかしゃかりきな感じがしなくて良いなと思ったので。 懸命に今できることをしていたら、必ず道は開けますよね。「用意できてます」くらいな時もあって「未来の自分を描く強い思い」大事ですね。
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えぬさん いつもありがとう。 >歳取ってきゅうきゅうな気持ちで生きる人もいますけど、どんどん大らかな 人間になっていきたいですね。 そうですね。 不要なよろいを脱ぎ捨てていけたらいいなあと思います。
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ジュビアさん こんばんは。 >私もなんだか自分の事を言われてるようでした。小さい頃から孤独になるのが怖かった。 セッションをしていても思うんですが、似たようなブロックをもっているひとは多いと思います。 みんなここで悩んで苦しんでいるんですよね。 たとえ些細なことであっても、ふだんやってみたいと思いながら、どうせ無理だとあきらめている事を実行するところからスタートするといいかもしれませんよ。
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ぬんさん >自分の意志で「ママ友達とマクドナルドに行く」事の方が、魂にとっては はるかに大事業 ですね。 はい。客観的に大事業なのかではなく周囲にとっては些細なことであっても、当人にとって勇気のいることであれば、それはチャレンジなんですよね。 恐怖があってもいいと思います。というより、自分は恐怖を感じているんだと素直に認めることからスタートです。 そのうえでその恐怖とどう向き合ってゆくのか、どう対処してゆくのかが大事なんですよ。
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ぼんさん >経営でもやっぱり10年やってこそ一人前というのは、よく言われます。 まったくそのとおりですねぇ。。。。 わたしもいちおう経営者なので、このたとえはほんと納得です（笑）。 目ぐるましく変わる世の中をみていると、ときには地道な作業がもどかしく感じたりもしますが、結局これに勝るものはないんですよね。 >こういうの早いとこ教えてあげられるような仕組みがあればいいんですけど・・・。 これは大きな課題ですね。 >自分でもこのエントリ読んでなんか「頑張ってれば、いつかは変わるし報われるよ」、 という気がしました（笑） こちらこそありがとうございます。 おたがい気長に肩の力をぬいてやってゆきたいですね。
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monchiさん >ほぼ同じようなことを考えて生きてきている方が（意外にも近くにw）いらっしゃったことに、正直びっくりしました。 うん？ これはわたしのこと（笑）？ 表面的な違いはあっても、多くの悩み苦しみは本質的にはとても似ているんですよ。だからこそ、愛や孤独といったものが人類の普遍的なテーマになりえるんですよね。 そういう意味ではみんな仲間なんじゃないかなあ。
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テレサさん こんぱんは。 そうですねえ。よく子供は生まれた瞬間に母親に恋をするっていいますが、幼い子供にとって親は誰よりも愛しい存在なんですよね。だからどんな仕打ちをされても親を信じたいんですよね。いじらしいなあ。。。と思います。 テレサさんも10年のくちですね。 >懸命に今できることをしていたら、必ず道は開けますよね。「用意できてます」くらいな時もあって「未来の自分を描く強い思い」大事ですね。 そう思います。みんな戦友なんですよね。 で、やっと10年が過ぎて、道も開けたし、これで自分も一人前だーなんて思っていたら、次の試練が待ち構えていたりするんだから、やってらんないよーと思いますね（笑）。 でもそうやってぶつくさ言いながらもチャレンジしているうちが花なのかもしれないなーと思う今日この頃です。
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お久しぶりです。依存からの脱却、マクドナルドに出かけること、なんてそんなことから始まるんですね。 ありのままの自分を出していきたいです。
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ケバブさん そんなもんです（笑）。 大きな変化はごく当たり前の日常のなかの地道な積み重ねから始まるんですね。
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こんにちは。 ありのままの自分を受け入れる。 最近やっと自分を受け入れたいと思えるようになりました。 涙が溢れてきます。 いつも大切なメッセージをありがとうございます。
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マリーさん こんばんは。 >ありのままの自分を受け入れる。 最近やっと自分を受け入れたいと思えるようになりました。 そうでしたか。きっとマリーさんにとって、そう思えるタイミングにきているんでしょうね。 わたしもうれしいです。 おたがいに自分をいっぱい抱きしめてあげましょうね。
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ただの自己憐憫だと思います。 人に話せるようなことはなんのことはないことです。
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miyuluaさん はじめまして。 心理カウンセラーはひとに話せない話を聴くのが仕事です。 自己憐憫でもよいと思いますよ。 誰もが自分のなかに自分を癒す力をもっています。 自分ひとりでは抱えきれない思いを誰かに聞いてもらうことをとおして、それまで自分では気づかなかった心の奥にある本当の気持ちに気づいてゆきます。 それが自己受容、つまり自分の心を受けとめるということです。 自分にたいして、ほんの少し優しくなることができたらいいですね。