イスラエル旅行」カテゴリーアーカイブ

イスラエルの旅⑦(終章) 赦し~ネゲブ砂漠にて

 砂漠の色合いは日本のどの景色とも違う。コントラストがはっきりとしているのだ。極度に乾燥しているため、発色が空気中の水蒸気に邪魔されないからかもしれない。
 
 星空を眺めながら、ひとりで黙々と乾いた丘陵地帯を歩いていると、時折まだ暗いのにどこからか鳥の声が聴こえてくる。周囲には誰もいない。動くものは自分だけだ。ずっとここに来たかった。生きるために最低限のものしか与えられていない過酷な場所だからこそ自分の本音と否応なしに向き合わされる。何者でもない、ただの人間として、この世界と向き合ってみたかった。
 

 風が強い。
 夜明け前の吹きさらしの大地は容赦なく風が通り抜ける。
 胸の奥がきりきりと痛む。
 東日本大震災以降、わたしは胸の奥でずっと挫折感を抱えていた。
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イスラエルの旅⑥ ネゲブ砂漠の宿

 今回の旅の中でもいちばん気になっていたのがネゲブ砂漠だった。最低限の設備しかないコテージ(小屋)が広大な砂漠地帯に点在して、1軒にひとりか相部屋で、部屋には薄暗い明かりはあるけど、必要以上の電気はないという宿泊所。wi-fiはつながらないし、カメラの充電をしようにも部屋に電源がないので、食堂兼ゲストハウスまで充電しにいかなきゃならない。シャワーはもちろん、トイレも部屋にないので夜中でも100メートル離れたバイオトイレまで砂漠の中を歩かなきゃならないというストイックさで、砂漠を満喫するにはうってつけのお宿だった。
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イスラエルの旅➄ 死海と水不足

 死海ではレオナルドクラブというホテルに泊まった。プールもあるし、ジャグジーもあるので、夕方まで遊んで冷えた体を温めるにはちょうどいい。
 
  
 死海の塩分濃度は35%。塩分濃度35%ってどんな感じかというと、まず身体が浮く。というか沈めない。指についた海水をなめてみるとめちゃくちゃ苦い。気温は30度。乾燥しているせいかあまり暑さは感じない。
 

 死海で遊ぶ前にいろいろ注意を受けた。
 まず20分以上、続けて浸からないこと。海水に臭素とグリセリンが入っているので基本的に美容と健康にいいんだけど長時間だと逆にNG。目に海水が入ると死ぬほど痛いので顔は絶対につけないこと。塩の結晶は刃物のように鋭く危険なので絶対に触らないこと。
 
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イスラエルの旅④ イエスと聖母マリア

 今回の旅ではイエスキリストと聖母マリアにかかわる場所をいくつもまわった。ガリラヤ湖、ナザレ、ヨルダン川、エリコ、ベツレヘム、エルサレムなど、彼はたくさんの足跡を残していた。聖母マリアと夫ヨセフの夫婦関係からも人間イエスの姿が見えて面白い。あまり表に出てこないけど、夫ヨセフは素晴らしくできたひとだったんだな。ユダヤ教の厳しい戒律がある時代に未婚の母であるマリアとの結婚を決意して、以後ずっとマリアとイエスを守り続けたなんて普通はできない。
 
 総じて世界中から人が集まる有名どころの教会はどこもずしりと重たい気が立ち込めていた。人々の持つ苦悩や悲しみ、それゆえの祈りはともすれば執着となって場にこびりつく。これは人間のさがだね。
 
 ところが下の写真を感じてもらえばわかるけど、たとえばピンポイントでマリアの生まれた洞窟や受胎告知を受けた洞窟は柔らかく繊細で美しい気を放ち続けているんだよね。人間の執着を瞬時に溶かす。
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イスラエルの旅③ テルメギドと最終戦争

 最初に訪れたのはテルメギド。
 ここはヨハネの黙示録で「全能なる神の大いなる日に、戦いをするため、三つの汚れた霊が王たちを招集する」という預言で有名な場所だ。日本では「ハルマゲドン」という言葉で知られていて、ハルはヘブライ語で山を表す。つまりメギドの山=ハルマゲドンで最終戦争が行われるという預言の舞台なんだよね。
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