どこへゆくのだろう。
風が変わった。
精霊たちがわたしを呼ぶ。
早くおいで、と。
聴こえてくるのはMarcellaの唄。
10代の頃の胸の痛みがよみがえるから
長い間、ずっと聴けなかった。
いま
穏やかに彼女の歌を聴いているわたしがいる。
どこへゆくのだろう。
体の奥にある魂が目を覚まし、
細胞のひとつひとつが鮮やかに風景と混ざり合ってゆく。
心の奥のかすかな予感にわくわくしている。
わたしはこの風を知っている。
なつかしくて、きな臭くて、けれど新しい何かを運んでくる風。
ずっとむかしから幾度となく感じてきたこの肌触り。
どこへゆくのだろう。
海の匂いを運んでくる風に誘われて
遠い南の島の大木に会いにいこうか。
水は流れ、風は嵐を呼ぶだろう。
夜明けの空に輝く星は雨上がりの朝を運んでくるだろう。
雨に洗われた空はあなたになにを語りかけるだろう。
わくわくと
どきどきと
かすかな予感と
生まれ変わる世界に
ただ百億の感謝をこめて乾杯。