2007年09月13日

浅間尾根と蛇の湯温泉

 先日五日市の浅間尾根に行ってきた。
 
 当日は朝から雨。
 登山道の入り口にあたる払沢の滝駐車場に着いたのが8時半。予報では10時過ぎには雨が止む予定だけど、それにはまだ1時間半もある。今回は予定を変更して雨でも遊べるところに行くか雨中登山にするか迷った。台風のあとの雨なので中止にするのが妥当な判断だろうなと思いつつ、正直に白状すると、本当に危険なのか自分の目で確かめてみたい気持ちもあった。

 そもそも中止か決行かの判断基準ってなんだろう?
 たぶん知識や常識プラス、経験からくる直感なんだろうな。

 たとえば高尾山だったら熟知している道だし、安全な観光ルートもあるので臨機応変に対応できる。だからこのぐらいの雨なら雨中登山可能という判断ができる。でも6月に登った美女谷温泉から明王峠にぬける山道なら、登山道の崩落その他のリスクを考えたら即中止にすると思う。

 浅間尾根に関してガイドブックの情報だけじゃ、わたしにはその判断がつかなかった。それは経験の無さゆえだよと言われれば、まったくそのとおりで、だからこそ今回は現地の空気を肌で確かめてみたかった。

 そんなわけで、とりあえず本格登山道にはいる前の、集落のなかの山道から林道を通って時坂峠まで歩いてみようということになった。


 浅間尾根ハイキングコースは、払沢の滝入り口から時坂峠を登り、浅間嶺、人里峠を通って数馬に抜けるコースで、今回は払沢の滝駐車場に車を置いて、数馬で下山して浅間尾根登山口のバス停からバスで移動してし払沢の滝まで戻る予定だった。

 払沢の滝から時坂峠までは林道(バス路線)もあるけど、集落のなかの山道を通ったほうが景色がいい。雨に濡れたひなびた民家を眺めながら林のなかを歩く。7日の台風9号の爪あとは生々しくて、杉の木が根こそぎ倒れている箇所もあった。

 集落のなかを1時間ほど歩くと時坂峠にでた。
 そこからアスファルトの林道を歩いて20分ほどで峠の茶屋にでる。

 お茶屋から先は本格的に登山道にはいってゆく。
 雨は小降りになったとはいえ、まだ止む気配はない。

 登山道をいくらも歩かないうちに沢沿いの道にでた。沢はそれほど増水してはいなかったけど、沢沿いの山道は雨で砂利が削られて幾筋もの溝ができていた。その溝を雨水が流れてくる。空気の肌触りがさっきまで歩いてきた林道とはあきらかに違う。突然情況が変化する可能性をはらんだ緊張感のようなものが伝わってくる。

 わたしのなかで即座に警報が鳴った。

「引き返そう」

 後ろを歩いていた友人とともに、わたしたちはふたたび来た道を引き返した。駐車場に戻ったのはまだお昼前だった。そこから数馬の蛇の湯温泉に向かう。

 今回、台風直後の山の風景をはじめて見た。
 そこで感じたのは、やっぱり自然を甘く見ちゃいけないってことだった。ダイビング中に水深30メートルでエアがなくなったときも、浮上したらボートがいなくて、ひたすら迎えを待ち続けたときも、やっぱり海は怖いと思った。ほんのちょっとの油断が命取りになるのを肌で感じたからこそ、慎重になるし、逆にここまでなら大丈夫という見極めがすこしずつ出来るようになった。

 山も同じなんだと思った。実際にその場で感じてみないとわからないことってたくさんある。そうした経験をしながら適切な判断が出来るようになってゆくんだろうな。危険と安全のぎりぎりのラインを感じることで得たものはとても大きい。危ない箇所を通りながらも、守ってくれた山の精霊たちに心から感謝。

 そうそう蛇の湯温泉はなかなかひなびた感じのいいお湯でした。

蛇の湯温泉 蛇の湯温泉

峠の茶屋より峠の茶屋より浅間尾根方面

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この記事へのコメント
浅間山と聞くと、何だかとても懐かしいです。^^

本州はいいですね。山がたくさんあって地続きで登れますものね。

温泉…いいな〜 久しく温泉行ってないです。
Posted by えぬ at 2007年09月13日 05:56
はじめまして 最近愛読者となりました。宜しくお願いします。

暖かい文章から、キョ〜コさまのお人柄が伺えます。

これからも宜しくお願いいたします。
Posted by Terry at 2007年09月13日 06:43
えぬさん

>本州はいいですね。山がたくさんあって地続きで登れますものね。

そうですね。あらためて考えると、ほんとうに恵まれているんですね。

温泉はいいです♪
最近登山をするようになって、秘湯めぐりの楽しみをおぼえちゃったんですよ^^
いまや登山と温泉は表裏一体でセットになっています(笑)。
Posted by キョーコ at 2007年09月13日 07:11
Terryさん

はじめまして。
コメントありがとうございます。
とってもうれしいです^^
こちらこそどうぞよろしくお願いします。
気楽に遊びに来てくださいね〜。
Posted by キョーコ at 2007年09月13日 07:13
こんにちは。
蛇の湯温泉、いい感じですね。東京最西て書いてあるけど、東京なの?
私の住んでる所も温泉地ですが、傍にあるとなかなか行かないもので・・・温泉プールなんかもあって楽しいんですけどね。

>危険と安全のぎりぎりのラインを感じることで得たものはとても大きい

本当にそうですね。この時に守っていただいているものにいつも感謝ですね。上の娘が20歳になったんですが、何か不思議に安全でいられた時なんかに、「守ってもらったことに感謝しなさいよ。」って言ったら、「うん、それは分ってる。」という返事が返ってきたんですよ。くどくどと教えた覚えはないけど、小さい頃から、よく「それだけで済ませてもらったことに感謝しないとね。」などと言ってきたことを分ってくれていたんだと嬉しくなりました。とりあえず、これは大事な考え方ですもんね。
Posted by テレサ at 2007年09月13日 16:53
はじめまして Terryの妻です。宜しくお願いします。

>危険と安全のぎりぎりのラインを感じることで得たものはとても大きい

私も頷いていました。
日常にもあるなぁ。と思い出していました。
娘が5歳の時、ふたりで近所の商店で買い物をし、交差点を渡っているその時、『バンッ』という音を聞きました。えっ?と思い、振り返ると右折してきた車が私達の50cm後ろにありました。もしかして私たちの変わりにぶつかってくれた何かがいるのかも?と感じ、「私達を守ってくださり、ありがとう」と思ったのでした。私達は、生かされているんだなぁ。と深く考えさせられました。その気持ちを大切にして生きていかなければ、ですよねぇ<(_ _)>
Posted by Yacco at 2007年09月13日 19:24

>危険と安全のぎりぎりのラインを感じること

いいですね、その経験(いやホントに)

もう久しく感じたことのない感覚です
(最後に感じたのがいつかも覚えてません(苦笑)

都会にい過ぎると、確実に奪われていく感覚ですが、いざというときには、一番必要になる感覚ですよね

その感覚をほとんど忘れている自分が、とてもコワイです(苦笑

Posted by monchi at 2007年09月13日 21:49
キョーコさんのブログを読んでいると、山登りをしたくなります!

桧原街道はいつも自動車で通り抜けるだけ…
今度は電車で行ってゆっくり歩こうかな!
Posted by いっせー at 2007年09月14日 02:42
テレサさん

こんぱんは。
蛇の湯温泉は東京の外れにあります。たぶん山梨との県境に近いかな。
テレサさんのおうちも温泉が近いんですね。
いいなあ。毎日はいったらお肌がツルツルになりそうだ。

娘さん、もう二十歳なんですね。
テレサさんの言葉が無意識のうちに心にはいっているんでしょうね。
なんだかうれしいですね。
Posted by キョーコ at 2007年09月14日 23:33
Yacco さん

はじめまして。
ふだんはなかなか気づかないだけで、日常のなかにも危険はいっぱいあるんですよね。

不思議な話ですが、怪我もなくご無事でよかったです。
守っていただいたんですね。

わたしもあらためて感謝の気持を忘れないようにしようと思います^^
Posted by キョーコ at 2007年09月14日 23:37
monchiさん

> 都会にい過ぎると、確実に奪われていく感覚ですが、いざというときには、一番必要になる感覚ですよね

そうなんですよ。都会生活が長くなると忘れやすい。
なのでたまには自然の真っ只中にゆくことも必要じゃないかなあと思います。
Posted by キョーコ at 2007年09月14日 23:41
いっせーさん

山登りはおすすめですよ〜。
歩いててふと思ったんですが、登山は丹田をつくるのに向いているような気がします。
日本の武道の真髄は丹田にあり、ですからね(笑)。

>桧原街道はいつも自動車で通り抜けるだけ…

わあ。ご近所さんです^^
あのへんは気軽に行けて、自然を楽しむにはいいところですね。
Posted by キョーコ at 2007年09月14日 23:46
突然のコメントで失礼いたします。
ブログを拝見させていただきまして、是非とも協力をして
いただきたくコメントという形で、ご連絡をいたしました。
当サイトは「ブログで繋がるコミュニケーション」をテーマに
参加していただくブロガーの皆様を幅広く募集をしています。
ランキングを楽しんだり、さまざまなブログを拝見したり、
ブログを持っている方々のコミュニケーションの、
一つの引き出しとして、その場を提供したいと考えています。
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御願いできれば幸いでございます。
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なお、こちらのミスで謝って、再度、ご連絡をした場合。
また、全く興味のない方は削除されてください。
Posted by magazinn55 at 2007年09月20日 17:54
magazinn55さん

ありがとうございます。
あとでゆっくり拝見させていただきます。
Posted by キョーコ at 2007年09月24日 12:14