最近よくこんな会話を耳にする。
「未来を信じようと思うんだけど、ちょっとうまくいかなくなると不安になって、やっぱり無理だって思ってしまうんです。どうせわたしなんか幸せになれるわけがない・・・って」
気持ちはわからないでもない。
わたしもうんと若い頃はそんなふうに思っていた時期もあった。
だからこそ言えるんだけど、『信じる力』っていうのは意志の力なんだよね。信じようとする決意といいかえてもいい。
仕事にしろ、恋愛にしろ、ちょっと躓くと過去のいやな記憶がよみがえってきて、「また失敗するかもしれない」とか「やっぱり無理だ」とか「どうせわたしなんか」てな気持ちになることは誰にでもある。
不安な感情にひたっているうちに、いつのまにか「信じよう」という前向きな気持ちに変化してくれればありがたいんだけど、なかなかそうはいかないよね。もちろんフォーカシングでじっくり不安と向き合うことで楽になる場合もあるけど、それはセッションなどでのトレーニングが必要だったりして一朝一夕にはいかないんだよね。
じゃどうしたらいいのか?
それは意志の力をつけること。
たとえば恋人や友人との関係がどうもうまくいかない。相手の気持ちを信じることができなくて不安で仕方がないとするよね。
そのときはまず自分自身の気持ちを確かめること。もしこの先も相手と仲良くしてゆきたい気持ちがあるなら信じるという決断をすればいい。
これは感情じゃなくて意志の力なんだよね。
そして信じると決めたなら日々の生活のなかで具体的に行動することが大事。
もちろん自分のなかに不安な気持ちがあるのなら、その気持ちを押さえつけたり無視したりするんじゃなくて、ちゃんと存在を認めて感じてあげていい。
そのうえで不安な感情に飲み込まれるのではなく、ちょっと力技なんだけど相手を信じる強い意志をもつこと。もっと正確にいうなら、相手を信じようとする自分自身を信じてあげること。
つまりひとや物事やその先にある未来を信じるっていうのは、じつは自分自身を信じてあげることなんだよね。
このプロジェクトを成功させたい、試験に合格したい、この人が愛しい、友達と仲良くしたい。こうした気持ちのどれもがほかの誰でもない、自分の心の内側から生まれてくるよね。
その気持ちは最初はとてもひよわで柔らかで、生まれたての瑞々しい新芽みたいなものなんだよね。だからこそ丁寧に時間をかけて世話をしながら、ときには強い意志の力を発揮して全力で守ってあげないと育たない。
望んだ状態を築くプロセスのなかで、横槍がはいったり、予定通りに動かなくて心がザワザワするような事が起きるときもある。そのとき相手や周囲の状況に引きづられて、自分自身の心の内側にある望みやまっすぐな思いを捨ててしまえば、そのプロジェクトや相手との関係はそこで終わってしまう。
ここで苦しくてもその場に踏みとどまることができるかどうかが明暗をわける。これが意志の力、信じる力なんだよね。
自分にはそんな力なんかないって?
最初からそんな力のあるひとなんていない。日々の生活のなかで地道に自分を育ててゆくしかないんだよね。心が萎えそうになったら、目の前のできることから具体的に手をつける。
どんなに難題山積みだったとしても、自分自身を信じる力が状況を大きく変える。一歩一歩地道に歩いてゆくうちに、いつのまにか周囲の風が変わっているのにきっと気づくよ。