イスラエルの旅③ テルメギドと最終戦争

 最初に訪れたのはテルメギド。
 ここはヨハネの黙示録で「全能なる神の大いなる日に、戦いをするため、三つの汚れた霊が王たちを招集する」という預言で有名な場所だ。日本では「ハルマゲドン」という言葉で知られていて、ハルはヘブライ語で山を表す。つまりメギドの山=ハルマゲドンで最終戦争が行われるという預言の舞台なんだよね。

テルメギドの遺跡


 ハルマゲドンはいわゆる終末思想に繋がっていて、映画や文化はもちろん歴史を語る上でははずせない。日本では40年前に大ブームになった五島勉の「ノストラダムスの大予言」や「幻魔大戦」「デビルマン」、アメリカでは1998年のブルース・ウィリスが主演した映画「アルマゲドン」など、多くの作品の下地になっている。90年代の地下鉄サリン事件でいちやく有名になったオウム真理教の思想にも影響を与えたし、現在の国際政治にも大きな影響を与えているともいわれているわけで、大人の教養のひとつでもあるわけだ。
 

 話を戻すと、なぜメギドが聖書で預言された最終戦争の舞台なんだろう。
 おそらくここがイスラエルの北部に位置していて、戦略上重要な場所だったからだ。そのため紀元前4000年頃から常に戦いに備えて堅固な街が造られ、支配者が変わるたびに古い街は破壊され、その上に新しい街が造られ続けてきたという。

 実際にメギドに立ってみると戦いの歴史を刻んだ遺跡の持つ重みさえも眼下に広がる畑の豊かさの前では色あせてゆく。
 古代の戦いは過去でしかない。
 いま目の前にある豊かさはここに入植したユダヤ人が100年近くの年月をかけて、マラリヤが蔓延する沼地にユーカリを植えて、耕作地として使える土地に変えてきた成果だ。
 

 本来の預言の役割は呪縛ではなく転ばぬ先の杖なんだけど、預言を上手に使いこなせるひとは少ない。とくにキリスト教徒にとって聖書の預言は無意識レベルで刷り込まれているのかもしれない。でも預言を越えた未来を創るのも、またわたしたち人間の自由意思しだいなんじゃないのかなーと思ったりしたのでした。
 
2017年11月15日
 
◆イスラエルの旅シリーズ
イスラエルの旅① 帰ってきました
イスラエルの旅② イスラエルの朝ごはん
イスラエルの旅③ テルメギドと最終戦争
イスラエルの旅④ イエスと聖母マリア
イスラエルの旅➄ 死海と水不足
イスラエルの旅⑥ ネゲブ砂漠の宿
イスラエルの旅⑦ 赦し~ネゲブ砂漠にて

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