大潮の晩

 徳之島でナイトダイビングをした日は大潮。
 千間海岸に着いて、島田さんと鈴木さんと3人で日が暮れるのを待つ。
 潮が満ちた頃、たぷたぷの水の中にそーっと入る。
 経験の浅い私にとって、真っ暗な夜の海の中では水中ライトの明かりだけが頼りだ。
 夜の海は不思議な世界だ。
 青いブダイが眠りこけていたり、ミミイカやイセエビが元気に動き回っていたり。
 以前、西伊豆の大瀬崎でナイトダイビングをした時のこと。
 ほんの1、2メートル先の中層でスズメダイか何かが寝ていた。そこに大きなスズキがやってきて、ぱくっとスズメダイを食べちゃったんだよね。
 ほんの一瞬のことだった。
 人間も魚も、生きてゆくために他の命を捕食するのが自然界のルールだ。さっきまで生きていた命が次の瞬間にはもういない。
 そんな姿を目の当たりにすると、自分も魚も命は等価なんだなと思えてくる。
 潜ったあとはお腹が空いて魚や野菜やご飯を食べる。
 生きるために、他の命をいただいているわけで。。。
 だからいつか自分の順番になっても、それは仕方がないかなと思ったりするわけです。海やアウトドアで遊んでいると、自分が自然の命の循環の一部であると感じる機会が多いから、こんなふうに思うのかもしれません。
 真っ暗な海の中で、遥か水面を見あげると、まあるい月が揺れていたよ。

 
2015年11月11日

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