堀潤監督の『変身 - Metamorphosis』を観て

元NHKアナウンサー堀潤監督のドキュメンタリー映画『変身 - Metamorphosis』を観てきた。この映画は堀潤氏がアメリカ留学中に製作したもので、彼がNHKをやめるきっかけになった作品でもある。
変身トークショー3人
 映画は1979年のスリーマイル島原発事故と1959年のサンタスサーナ原子炉実験場事故後の取材、そして2011年3月11日の東日本大震災における福島第一原子力発電所のメルトダウンとその後の日本の姿を映し出す。衝撃だったのは元作業員の林哲哉さん(41)の撮った映像と彼の目を通して語られる内部事情だ。
 
 映画の冒頭とラストに2012年7月の脱原発デモが映し出される。
 その現場はわたし自身が何度も参加したのでよく覚えている。
 しかし7月の官邸前デモ以降、警察はデモに対する規制を強め、デモ参加中警官の射すような視線を浴びるようになってゆく。官邸前の道路には警察のバスとパトカーがずらっと並び、歩道は分断され、ときには嫌がらせのようなビデオ撮影をされるようになっていった。
 いま官邸前は当時の勢いはない。
 でもそれは脱原発を忘れたわけでもなければ、ブームが去ったからでもない。
 あれほど必死で訴えても変えられなかった無力感と孤立感、そして戦い方を変えなければ伝わらないという自覚と模索の結果であるような気がする。すくなくともわたしはそうだ。
 帰り道、新宿のタカシマヤから見る夜景はクリスマスのイルミネーションが美しかった。
 でも想像したことがあるだろうか?
 このたったひとつの明かりをつけるために、ウラン鉱山のある先住民の土地は汚染され、海はゆるやかに死に、福島はおろか日本中が被曝し続けていること。現在進行形の相馬市や浪江町の苦悩、いまのフクイチでは作業員が使い捨てられていること、さらに私たちの子や孫の世代がいずれは作業を受け継がなければならないということに。
 原発の事故処理には終わりがない。
 このイルミネーションと引き換えに、過去と未来を永遠に捧げ続けなければならないのだとしたら、愚かとしか言いようがない。
「このままでは、今、生まれた子どもが50歳になっても廃炉作業をしなければいけない。今のうちから、労働環境の整備をしなければいけない。将来世代にツケを残したくない」
 という林さんの言葉が心に残っている。
 シビアな映画だけど、ぜひ観てほしい。
 
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