プロジェクト始動

 というわけで12月です。
 連載はどうしたという声が聞こえてきそうですが、すいません(滝汗)。このところ仕事以外で吸収しなきゃならない知識に調べものが多すぎて文章を考える時間がないのはどうしたものか・・・・。
 おとといは午前中は「フォーカシング入門講座」、午後は「エネルギーワーク入門」の講師をやりに西明石まで日帰り出張。ゆっくりお茶をする間もないハードスゲシュールだったけど、いろんなひとと話ができて得るものが多かった。
 今週末はクリスマスライブに向けてバンドメンバーと初の音合わせで内心ドキドキ(笑)。音合わせのあと、父の面会に行って、その足で田んぼプロジェクト・チームルテラムウの打ち上げに新宿へ直行。忙しいけど、これはこれでいい気分転換になるんだよね。
 父の容態も安定してきて、現在は回復期リハビリが課題。今回の件で医療現場の深刻な問題がずいぶん見えてきた。
 患者側がはっきり自分の意見をもっていないと、ベルトコンベアー式に生かさず殺さずの非人間的なシステムの中に組み込まれてしまうんだよね。
 病院側の人手不足&経営難という問題も大きい。そんなことはわかっている。そのうえで終末医療を考えることは、どう生きるかという問いに直結しているんだよね。高齢者が幸せを感じられないシステムは若者から希望を奪う。だってどんなに一生懸命生きたって、一握りの幸福なお年寄りを除いて、その行き着く先が現在の医療現場だとしたら、無意識に守りにはいるよ。
 高齢者の多い脳外科のICUは患者の「生きよう」とか「回復」しようというモチベーションを下げるには最適な環境だと思う。患者さんたちは脳梗塞で体が動かなくたって、言葉がでなくたって、看護するひとたちよりもさまざまな経験を積んだ人生の先輩なんだよね。
 そりゃ性格がゆがんだお年寄りだっているけれど、それでも彼らは戦後をひたすら生き抜いてきた。それは何ものにも代えがたく尊いものに思える。
 対ひとりの人間として敬意をもって接することで、患者側の尊厳が守られ、その心が救われてゆく。それが生きる意欲、モチベーションにつながる。そこに思いが至らない高齢者医療は戦後日本全体が切り捨ててきたことを端的にあらわしているような気がする。
 もちろんそんなシステムに飲み込まれる気はまったくない。
 そこで立ち上げたのが『プロジェクトM』。
 これは父親が日常生活ができるように回復するだけにとどまらず、海の向こうの「Mに旅行に行く」を最終目的とした回復プロジェクト。メンバーはいまのところ弟夫婦と私たち夫婦の4人。今後は状況を見ながらケアマネージャーも巻き込んでプロジェクトを進めてゆくつもり。
 高齢者の介護は深刻になりがちだけど、視点を180度切り替えるといろんなものが見えてくる。さいわいメンバーは仕事でさんざんプロジェクトリーダーをやっていたり、開発関係のエンジニアだったり、心理学のプロだったりするからね(笑)。父の件が片付く頃には、高齢化社会に必要な最強のノウハウが開発できそう。これは内心ワクワクしている。
 というわけでシリーズのほうは年内連載最低2回を目標にがんばります。

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プロジェクト始動」への13件のフィードバック

  1. ふみちゃん

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    先日はありがとうございました。 忙しい日程でしたが、同じ時間を過ごせてとっても嬉しかったです 本当に忙しそうですね~。 いろんなこと大変そうですが、応援してます

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  2. キョーコ

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    ふみちゃん どういたしまして。 こちらこそひさしぶりに会えてうれしかったです。 毎日忙しいけど予想外におもしろい展開の真ん中にいて、その瞬間瞬間を楽しんでいる自分がいます。 こんな状況のなかで与えられた物事すべてに感謝して楽しめる自分にまで成長したのかと思うと、ちょっぴり感無量です(笑)。

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  3. ひとりごと

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    初めまして。数年前から興味深くブログを拝見させて頂いています。 今回もブログを拝見しまして数日、どうしてもモヤモヤするものがあり、初めて書き込みさせて頂きました。 私は東京の病院で働く現役の看護師です。 「そりゃ性格がゆがんだお年寄りもいるけれど・・・」の下りを見て、非常に悲しく思いました。 私はキョーコさんが体験された内容がわかりませんので、違った話になっていましたら申し訳ありません。 私たちは常に患者さんの事を人生の先輩と思って接しております。 しかしいくら認知症や他の病気だからと言って、毎日一生懸命やっていることに返ってくる言葉が「ばかやろう。」「このやろう。」では本当に辛いものがあります。まだご病気によるものであれば私たちも我慢しますが、性格上の問題 例えば「お金を払ってるんだからやれ!」と言った事もよく言われることであり、本当に私たちの心をくじきます。 患者の権利を、という言葉はよく聞きますし、確かに必要なことだと思います。しかしでは私たち医療者には人としての権利を望んではいけないのでしょうか? 私の友人の看護師は、患者さんにとって納得のいかないことがあった時に後ろから蹴られた事があります。私もカラのペットボトルを投げつけられた事があります。 かつての看護師の退職の理由は結婚・出産・過酷な勤務等が上位でしたが、現在は患者の質の変化がトップだそうです。 確かに私たちはお金は貰って働いていますが、自分の行動如何で人を死に至らせてしまうかもしれないという危機感を持ちながら働くのは本当に大変な事だと思います。それでもがんばって働いているのはやりがいがあるからこそなのです。まごころを持って行った事を、そのように返されるのは本当に辛いことなのです。 そのような現場の人間も居ることをぜひ知って頂きたく、出過ぎた真似を致しました。お気を悪くなされたらすみません。

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  4. ちえ

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    キョーコさん、はじめまして。 いつもひっそり拝見しています。 私の母も今年の初めに脳出血で倒れました。 その際、病院側の終末期医療の考え方に私もショックを受けました。 父はただおろおろするだけで、入院、バリアフリーへの大改装、 各種助成金やら介護保険の手続き、リハビリ計画・・・など、 すべて同居していない私が指揮しました。 半年後に母が在宅となり一安心したあたりで、私の頑張りも尽きてしまい、 今度は私が体調崩し気味な毎日です。 すべて初めての体験でしたが、行政の在り方にも憤りを感じました。 介護保険にしても助成制度にしても、ただ制度をつくりました的な態度で、 ひとりひとりの実情には興味がないみたいです。 本人を見ず家族の状況も見ずに、書類の上だけで母の状態を判断する役所の人たちに ほとほとしびれが切れました。 高齢者が安心して豊かな生活を送るにはまだまだ乗り越える問題が山積です。 プロジェクトM、どんなふうに進むのか楽しみです。 私も「楽しい気持ち!」で両親との時間を過ごしていきたいと思っています。 (ちなみに来月の人間力養成講座に参加予定です。よろしくお願いします。)

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  5. キョーコ

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    ちえさん こんばんは。 お母様のお体が在宅に戻れるまでになって本当によかったですね。 患者の家族という視点と同時に心理カウンセラーとして、経営者としての視点で現場をみるとかなり問題が見えてきました。 心と体は表裏一体。肉体の治療と同時に心理的なケアがあるかないかで発症後の経過に大きな差がでます。患者にとって、とくに脳卒中の回復期リハビリにおいては、いかにモチベーションをあげるかが重要な課題なんですね。 また医療にかかわるスタッフに心理学的な基礎知識を学ぶ機会、かれらが抱えている日々のストレスに対するメンタルケアの必要性を痛感しました。 もちろんそんな贅沢な配置は経営的に難しいのが現状です。そこに医療システム、行政の根本的な問題があるように感じます。 ほんとうに問題山積みですね。 プロジェクトMの活動をとおして、そのあたりを考えてみたいと思っています。 人間力養成講座でお会いできるのを楽しみにしています!

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  6. キョーコ

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    ひとりごとさん こんばんは。 貴重なご意見をありがとうございます。 まず理解していただきたいのは、わたしは決して個人攻撃をするつもりはないということです。 看護師さんにもいろんな方がいるし、患者さんにもいろんな方がいます。それをひとくくりに語ることはできないのを承知のうえで、心理カウンセラーの視点で客観的に現場をみて気づいたことがいくつかあります。 他の患者さんが尊厳を傷つけられるような言動を受けたのを何度か見ましたが、さいわいわたしの父はひどい扱いを受けたことはありません。けれど成人の患者さんに対して幼児に対するそれのような医療サイドの言動は父のみならず多くの患者さんが経験していると思います。 これは患者の、とくに高齢者にとってはかなりモチベーションを下げるんですよ。 たとえば嚥下障害の患者さんの場合はどうしても食事のときに口から食べ物がこぼれやすくなります。これは脳細胞の壊死による脳の伝達システム、あるいは嚥下に使う筋肉に問題があるからであって、幼児が食事をこぼすのとは根本的に違います。 食事を食べさせる医療スタッフはここを理解する必要があるわけです。ところが食べこぼす患者さんに対して「そんなにあわてるからこぼすのよ!」と子供を叱るように言う医療スタッフもいます。 これはほんの一例です。問題の根本は医療スタッフ側に人間の心のしくみと担当患者の症例に対する知識がないことです。これは医療スタッフを育成する教育の問題でもあるわけです。じゃあなぜそういう教育なのかといえば、現代医学の在り方そのものが、患者に対して「病気の症状」のみに焦点をあてていて、患者を「心と体」をもったひとりの人間だという視点がないからです。

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  7. キョーコ

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    続き これは医療現場だけではなく、社会全体の問題なんです。こうした問題が端的にでやすいのが医療、教育現場です。つまり社会全体の問題は弱者にしわ寄せがくるんですよ。 現場の看護師さんが一生懸命やっているのは知っています。仲良くなった看護師さんもいますし、わたしも看護師としての彼女たちの成長を心から応援しています。 けれど一生けんめいやっていることと、無知であることは別の話です。責めているのではなく、知らないことは学べばいいんです。それは看護師さんにかぎらず、どんな仕事でも同じことです。 ひとりごとさんをはじめとした看護師さんたちの人格そのものを否定しているわけではないんですよ。冷静に現状を分析したうえで、すこしでも状況を改善してゆけるといいなと思っています。

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  8. キョーコ

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    続き それからひとりごとさんが書いていらっしゃる現状は社会問題になっていますね。モンスターペアレンツと似た現象ですよね。これも社会の人間の全体性を育てることを怠った社会の歪みのひとつだと思います。 >患者の権利を、という言葉はよく聞きますし、確かに必要なことだと思います。しかしでは私たち医療者には人としての権利を望んではいけないのでしょうか? そうではありません。患者さんも医療関係者もどちらも人権は守られなくてはならないと思います。問題は別のところにあるんですが、そのあたりは長くなるのでまた時間のあるときにゆっくり書きますね。待っていてね。

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  9. キョーコ

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    ひとりごとさん 続きを書く時間がとれなくてすいません。 これを書こうと思うと、本一冊書けるぐらい膨大な量になっちゃうんですよ。 わたしがなぜ人間力間養成講座をしているのかというここととも結びついてくる内容ですので、コメント欄ではなく、いずれ時間がとれたときに本文の記事でとりあげます。 みんな一生懸命なんですよね。 ヘルパーさんも看護師さんも医師もソーシャルワーカーも、さまざまな事件を起こす人々も、ある意味で金融資本主義の犠牲者であり、加害者でもあります。 その意味でもいまの社会システムが末期症状を呈しているってことでしょう。 そこに目を向けなければ、医療の問題は解決しないと思っています。

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  10. ひとりごと

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    キョーコ様 沢山のお返事ありがとうございました。 「他の患者さんが尊厳を傷つけられるような言動を受けたのを何度か見ましたが・・・」とのお言葉、同じ医療スタッフとして本当に申し訳なく思います。私たちも心のケアに関しては必死で勉強しておりますが、それでも心理学の専門の方から見れば「無知」の領域なのでしょうね。恥じ入るばかりです。 私たちももちろん患者さんを「心と体」をもったひとりの人間だという視点 は持っております。しかし私個人の意見としてですが、やはり私たちは看護師でありカンセラーさんではないので、そのような方達とは視点が違うのではないかと思いました。 看護師としてはどうしても患者さんの身の回りのお世話や、容体が急変した時の対応が優先となります。心のケアは本当に重要ですが、命が助けられなければ心のケアもでないからです。 先日、容体が急変すると思われていなかった患者さんが急変したことがありました。私たちはその患者さんを助けるのに必死でした。 その騒ぎを聞きつけた患者さんのご家族の方がいらっしゃり、その現場を目の当たりにして呆然とされていました。 しかし私たちは患者さんを助けるのに必死で、そのことに気づく余裕は全くありませんでした。ご家族のことに気がついたのは、患者さんの容体が安定した後のことでした。 その時私たちより早くご家族に気づいた事務の者がご家族に付き添ってくれており、本当に事務の者に感謝致しました。 しかし申し上げれば、人一人の命を救うというのは、本当に大変なことなのです。そのような余裕のない時など、知らず知らずのうちに患者さんやそのご家族の方を傷つけるような言動がありましたら、本当に申し訳ありません。でも私たちは必死で命を救おうとしていることはわかって頂けたらと思います。 最後にお父様の容体が早く回復されることを心よりお祈りしております。

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  11. メイ

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    キョウコさん 久しぶりに覗かせていただいたら 生き生きと喜びに満ちた お姿 もう すご~~~~くうれしい!!! ありがとうございます~~~ はぐはぐはぐ~~ すみません調子に乗り。 私自身が癒される瞬間でした。うるうる ありがとうございます。 愛ってすごい すばらしいです。 お父様(プロジェクトMのご成功と) そしてみなさまのすばらしい今に感謝いたします。ありがとうございます

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  12. キョーコ

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    ひとりごとさん ひとりごとさんが一生懸命やっているのはよくわかっています。最初のコメントを読んだとき、現場でがんばっているからこそ、その努力を否定されたような気がしたのだろうと思いました。 ひとりごとさんだけではなく、多くの看護師さん・ヘルパーさんの努力を認めたうえで書いた記事です。努力の方向がずれていれば、残念ながら結果がついてこないのはどの仕事でも同じです。仕事柄、こうしたケースはたくさん見てきました。医療だけではなく。ビジネスの現場でもそうですが、往々にしてその道の専門家ほど守りにはいってしまうため、別の角度からの視点やアドバイスを受け入れるのは努力がいるようです。けれどそれを乗り越えると、ひとまわりもふた周りも大きくなって、とても大きな成果をあげられる方が多いように感じます。 わたしが問題にしているのは社会全体の構造とシステム、それによって作られるものの見方です。ひとりごとさんとわたしではこのテーマに関して見ている視点が違うのでコメント欄での会話はなかなか難しいものがありますね。 大変だと思いますが、やりがいのある仕事だと思います。これからもどうぞがんばってください。応援しています。

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  13. キョーコ

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    メイちゃん おひさしぶりです。 はぐはぐ、ありがとう♪ 今日父の転院先のリハビリテーション病院に行くバス停でバスを待っていると、シルバー人材センターのお年寄りが話しかけてきました。 とても気さくで闊達な方でしたが、60代のときにくも膜下出血で生死の境をさまよったそうです。倒れてから三ヶ月間の記憶はまったくないけれど、いまはこんなに元気になっているからお父さんも絶対に治るよと話してくれました。 「たいへんなのは本人じゃなく家族だよ。自分も女房にはほんとうに苦労をかけたなあ」とも。 見ず知らずの方だったけれど、親切にバス停からの道順も教えてくれたうえに身の上話までしてくれて、なんだかほろっとしちゃいました。 人間って素敵ですね。 いつもありがとう。 わたしも会うひとすべてに感謝です。

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