簡単古代史(記紀)入門

 さて異説を読むにはまず元の物語を知っていなきゃ楽しさ半減というわけで、『記紀』のポイントだけ簡単に書いておくね。流れとしては、以下のとおり。
 

 1 天地開闢
 2 伊奘諾尊(イザナギ)・伊奘冉尊(イザナミ)の国生み
 3 素戔嗚尊の誓約と天照大御神の岩戸隠れ 
 4 素戔嗚尊の八岐大蛇退治
5 出雲の国譲り
 6 天孫降臨  天津彦彦火瓊瓊杵尊、天下る
 7 日向三代
 8 神武東征、そして大和朝廷誕生
 

 ざっとこんなところかな。ほかに古代史で重要だと思われるのが、10代祟神天皇と15代応神天皇とその母親である神功皇后あたりかな。
 


 物語は天と地がまだ混沌としている場面から始まる。ゆるゆると天と地がわかれ、もやもやとした風景がすこしずつ形を成して、やがて次々と七柱の神々が生まれた。この七柱の神々のいちばん最後に生まれたのが、ご存知イザナギとイザナミの夫婦神。
 

 イザナギとイザナミは協力して淡路島や四国など次々と日本の国土を生む。さらに天照大神・素戔嗚尊・月読命など、たくさんの神々を生むんだよね。ところが火の神を生んだときにイザナミはやけどをして死んでしまう。
 

 残されてたイザナミは三人の御子に言った。
「天照大神は高天原、月読命は夜の食国、素戔嗚尊は海原を支配せよ」
 ところが素戔嗚尊は根堅州国にいる母親に会いたいと泣くばかりで、ちっとも統治をしない。とうとう怒ったイザナギは「そんなに母のところに行きたければ行くがいい」と言い放つ。
 

 素戔嗚尊は別れの挨拶をするために姉の天照大神に会いに高天原にいくんだけど、天照大神はてっきり素戔嗚尊が喧嘩を売りにきたのかと勘違いして、武装して素戔嗚尊を迎える。
 

 あわてた素戔嗚尊は邪心がないことを証明するために誓約といって、三柱の女神を生むんだよね。いっぽうの天照大神は五柱の男神を生む。
 ここで素戔嗚尊は自分が生んだのが女神であるのは潔白の証だと言って、すっかり調子にのって高天原で大暴れをしてしまう。素戔嗚尊のあまりの狼藉に怒った天照大神は、とうとう天の岩屋戸にこもってしまうんだよね。
 

 日神である天照大神が隠れてしまったために、世界は闇に閉ざされてしまった。困った八百万の神々は一芝居うって、天照大神を岩屋戸から引っ張り出す。一方の素戔嗚尊は罪をあがなうために、神々に髪や手足の爪を抜かれて高天原を追放されてしまう。
 

 さて高天原を追われた素戔嗚尊は葦原の中つ国に降り立った。
 舞台はここで出雲に移る。
 

 素戔嗚尊は八岐大蛇を退治して奇稻田媛を救い、出雲に宮殿をつくって奇稻田媛を娶る。このふたりの六世の孫が大国主命なんだよね。大国主命は数々の試練をくぐりぬけ、葦原の中つ国の王となる。
 

 さてその頃、高天原では葦原の中つ国を平定する方法が議論されていた。アメノホヒノミコト、ついで天若日子命が派遣されたものの、ちっとも地上平定計画は進まない。二番目に派遣された天若日子命にいたっては、大国主命の娘である下照姫を娶って、すっかり任務を忘れているありさま。
 

 ついに経津主神とともに建御雷之男神(古事記では建御雷之男神と天鳥船神)が派遣された。建御雷之男神に国譲りを迫られた大国主命は息子の事代主神とともに国譲りを承諾。もうひとりの息子である建御名方神は建御雷之男神に力競べを挑んだものの、大敗して信濃の諏訪湖まで追い詰められて降参した。
 

 こうして葦原の中つ国は天照大神率いる天孫族の支配下におかれることになった。さて中つ国を統治するために天下ったのが天照大神の孫・天津彦彦火瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)。
 

 地上に降りたニニギノミコトがひと目ぼれしたのがコノハナサクヤヒメ(木花之開耶姫 別名鹿葦津姫or藭吾田津姫)で、ふたりの間にできたのが火照命(山幸彦)・火須勢理命・火遠理命(海幸彦)の三人の御子だった。
 

 山幸彦は海神の娘である豊玉姫と出会い、ウガヤフキアエズノミコトを産む。このウガヤフキアエズノミコトと豊玉姫の妹の玉依姫のあいだにできたのがカムヤマトイワレビコ、すなわち初代天皇となる神武天皇なんだよね。
 

 さていよいよ物語は佳境にさしかかる。
 神武天皇は東によい土地があると聞いて、さっそく九州の日向国から海路で大和を目指す。
 

 ところがすでに大和には天磐船に乗ってやってきた天津神の御子であるニギハヤヒノミコトが降臨していたんだよね。おまけに大和の先住民である長脛彦の妹を娶り、かなりの勢力をもっていた。どう考えても神武軍に勝ち目はない・・・はずだった。ところがニギハヤヒノミコトは長脛彦の反対をよそに、神武天皇に権力を禅譲してしまう。
 

 こうして神武天皇は橿原神宮で即位し、大和朝廷が誕生する。
 

   ☆
 

 簡単だけど、記紀にでてくる大雑把な古代史はこんなところです。
 
2007年1月28日
 

◆古代幻視シリーズ◆
古代幻視シリーズはレイライン・カテゴリに含まれますが、連載ものになっているので、上から順番に読んでいくと分かりやすいです。
 

・シャーマニズムと裏付け調査 2007年1月27日
・簡単古代史(記紀)入門 2007年1月28日
・古代幻視 1  饒速日尊 2007年1月28日
・古代幻視 2 滋賀県鏡山と伊勢遺跡 2007年1月31日
・古代幻視 3 神功皇后 2007年2月2日
・プロメテウスの火 2007年2月6日
・レイライン7 出雲の御祭神 2007年1月24日

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簡単古代史(記紀)入門」への2件のフィードバック

  1. ウォッチャー

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    この記事は分りやすくて良いですね。流れが再確認できました。 (大きな目についてのコメントはホッとしました。) >「そもそもなんだって古代史なんかを書くはめになったんだろうなあ」と前回仰ってましたが、 (ご存知かどうかは分りませんが)ある霊能者(チャネリング系)の方が 「日本という国の成り立ち・歴史・その他色々なことがその時々の為政者によって隠され改竄されてきたが、もうこの国の魂はそれを許せなくなっている」と、10年ぐらい昔の本で語っているのを読んだことがあります。 この方の話でも「呪術師によるパワースポットの封印」「記紀(歴史)の書き換え」「ニギハヤヒの地位の謎」が指摘されていましたので、キョーコさんが今回この話をされて少なからず驚きました。 私も「この国の魂」とやらに共鳴しているのかもしれません。

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  2. キョーコ

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    ウォッチャーさん おはようございます。 >この記事は分りやすくて良いですね。流れが再確認できました。 ありがとうございます。 なにがたいへんって、この記事がいちばん書くのに苦労しました。「シャーマニズムと裏付け調査」の前置きのあと、これを書こうと思ってパソコンの横においてある古事記と日本書紀の翻訳版を見たとたん、挫折したんですから(笑)。 その本は読んだことはありませんが、多くの人が漠然と感じていることなのかもしれません。 >私も「この国の魂」とやらに共鳴しているのかもしれません。 やはり時代の転換期ということですね。

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