レイライン1 鹿島神宮と縄文

 さて先日出雲に行ってあらためて思ったんだけど、日本のレイラインのポイントと呼ばれる場所には共通点があるような気がする。
 「鹿島神宮 2 鹿島ー諏訪レイライン」でも書いたけど、茨城の鹿島神宮と長野の諏訪大社を直線でつなぐと、ちょうど真東からのぼり、真西に沈む、いわゆる春分の太陽の通り道をきれいにトレースすることができる。
 

 同じように出雲大社と富士山を直線で繋ぐと、鹿島ー諏訪ラインに平行に走る春分ラインになるんだよね。さらにその直線を富士山から東に延長すると、千葉県にある上総一ノ宮・玉前神社にでる。一方の富士山ー出雲大社のライン上には、酒天童子で有名な京都の大江山に元伊勢(皇大神宮)、伊吹山といったポイントがのっているんだよね。
 

 さらに鹿島神宮から見て富士山は冬至の入日の方角にあたる。つまり鹿島神宮ー富士山ラインは冬至の太陽の通り道なんだよね。古代において冬至の太陽の昇るポイントは祭祀的に重要な意味をもっていたのは「冬至と新嘗祭」でも書いたとおり。
 

 で、この鹿島ー富士山ライン上に、皇居がのっかっているんだよね。
 皇居っていうのは、ご存知むかしは徳川家康の居城・江戸城だった。これが大政奉還後、明治政府が発足してから、それまで京都御所にいらした天皇にお移りいただいた東の御所がこの江戸城なわけ。
 


 江戸城の町造りの指揮をとったのは天海和尚と呼ばれる人物で、彼は風水や陰陽道の知識に長けていた。だから当然家康が江戸にはいったとき、寺社仏閣の設置をとおして江戸の町に結界機能をほどこした。彼にしてみれば、鹿島ー富士山という冬至ラインにのっている江戸城は新生日本の首都にふさわしい場所だったに違いない。時代は移り、江戸城の主は徳川から皇室へと変わったけれど、冬至ラインの力はいまも機能しつづけている。
 

 話がそれちゃったけど、諏訪、鹿島、出雲の共通点は「縄文」なんだよね。
 どういうことかっていうと、諏訪大社は大国主命の息子の建御名方神を祀っているよね。対する東側の鹿島神宮は国譲りの立役者・武甕槌神が主祭神なんだよね。
 

 ところがこれにはちょいと仕掛けがあって、武甕槌神はじつは物部系の神だと思えるふしがある。もともと鹿島神宮付近は縄文の遺跡が多く、弥生の遺跡は数えるほどしかない。ところが茨城県内の古墳3111基中、鹿島郡には559基もある。つまり鹿島郡では弥生時代というものがほとんどないまま、いきなり縄文から古墳時代に突入したってことなんだよね。
 

 ここから考えられるのは、大和朝廷を中心とした勢力が縄文人が生活していた鹿島地方を制圧していった可能性だよね。鹿島地方では良質な蹉跌がとれた事も大きな要因だったけど、同時に鹿島は東北の対蝦夷の軍事拠点としても重要だったんだよね。
 

 そういう背景があったうえで、鹿島神宮は物部氏の支配下におかれた。やがてその物部氏は蘇我氏との戦いにやぶれ、さらに大化の改新でいちやく頭角をあらわした中臣鎌足(のちの藤原氏)の陰謀によって、しだいに勢力を失い、最終的に古事記・日本書紀が編纂される頃には、日本の黎明期の歴史そのものが闇に葬られてゆく。
 
 
 そのときに鹿島神宮の御祭神・武甕槌神は本来の姿ではなく、勝者である天孫族の神として描かれるようになったんじゃないか? 途中の考察をはしょっているので乱暴な意見だけど、このへんは梅原猛とか、いろんな人が書いているね。
 

 諏訪大社にしても、記紀では建御名方神が武甕槌神に諏訪の地に追い詰められた形になっているけど、諏訪はもともと出雲勢力と縄文系が平和的に融合した場所だったという可能性もある。すくなくとも諏訪大社では山を御神体とする古い縄文の形を色濃く残した祭祀がいまも連綿と引き継がれている。そこからいえるのは、諏訪大社の御祭神は建御名方神となっているけれど、本当の祈りの対象は縄文の自然神だということだよね。
 

 といったところで、今日はこんへんで。
 レイラインシリーズは思ったより長くなりそうなので、少しずつ書いてゆくね。わたしも結論がどうでるのか、じつはわからなかったりするし^^;
 
2006年12月5日
 

◆鹿島ー諏訪、そして縄文◆
レイライン・カテゴリの中の鹿島ー諏訪、そして縄文に関連のある記事をまとめてあります。
 
・鹿島神宮 1 諏訪大社と縄文神 2006年10月23日
・鹿島神宮 2 鹿島ー諏訪レイライン 2006年10月28日
・レイライン1 鹿島神宮と縄文 2006年12月5日
・レイライン2 鹿島と香取 2006年12月7日

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レイライン1 鹿島神宮と縄文」への11件のフィードバック

  1. め☆赤いスポーツカー

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    この流れのお話は 壮大です(O_O) なかなか頭がついていきませんが、それでもとっても惹かれて 読んでしまいます。頭とはちがうところで 読んでるのかもしれませんね(^-^) つづき楽しみにしています。

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  2. さくらこ

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    以前、皇居の近くのビルで働いていたとき、晴れた日は遠くに富士山がみえました。冬至ラインの上で仕事してたのかも。 他にも調べると、近畿地方には星の形をしたレイラインがあるそうですね。伊勢神宮が星の先端の一つになっているようですが、なるほど伊勢の夫婦岩は二つの岩にしめ縄が渡されていて、岩自体を拝みます。二つの岩の真ん中に朝日が登る風景は有名です。

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  3. キョーコ

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    め☆赤いスポーツカー さん ありがとう。どこまで書こうか考え中(笑)。本音で書くと、かぎりなく妖しい展開になりそうな予感で・・・。

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  4. キョーコ

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    さくらこさん 冬至ラインの上って、けっこういいエネルギーが回るみたいです。 近畿地方の五芒星の結界は有名ですね。 伊勢もいいですねえ。 また旅心がでてきそう・・・。

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  5. ウォッチャー

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    レイライン・シリーズ、楽しく読ませて頂いております。 このシリーズのキーワードの一つは「縄文」でしょうか? 「縄文」といえば、私は仕事の関係で陸奥(青森)に住んでいた時に岡本太郎を通じて縄文に興味を持ちまして (それが発端で「縄文→諏訪→ミシャグチ神」と知ったんですが) 以来すっかり「縄文」にとり憑かれています。 縄文土器の持つ【自由奔放な流れ出る様なエネルギー】と言いますか、 【思念】のようなもの正体を知るのが私の興味の中心なのですが、 ジャーマンのキョーコさん的に「縄文」とはどんなものなのでしょうか? 「縄文」には何か日本列島に住んできた人々の秘密みたいなものがあるような気がするのです・・・が。

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  6. キョーコ

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    ウォッチャーさん >このシリーズのキーワードの一つは「縄文」でしょうか? はい。いまなぜ縄文がクローズアップされているのか不思議だなあと思いつつ、シリーズは縄文ですすんでいます。 >「縄文」といえば、私は仕事の関係で陸奥(青森)に住んでいた時に岡本太郎を通じて縄文に興味を持ちまして なるほど。納得です。 東日本にはより強く縄文色が残っている気がしますね。 >シャーマンのキョーコさん的に「縄文」とはどんなものなのでしょうか? わたしにとっての縄文は、海洋民族の血であり、語られない歴史であり、自分の根幹をなすスピリットのひとつのような気がします。 縄文人を原日本人と呼ぶとしたら、北海道から沖縄まで広く分布していたものが、おもに列島の中心部で混血を繰り返しながら、その血の中にあった原始的な生命力みたいなものもしだいに薄まってきたのかなと思います。

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  7. テレサ

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    こんにちは。 ほんと、キョーコさんは物書きだなあ、とつくづく思います。凄いわ。 限りなく本音に近く書いてくれることを希望! 海洋民族と聞いて思い出したけど、つい最近のこっちの新聞にあった「我は海の子」が歌われなくなった、という見出し。それにもチラッと「海洋民族」という言葉が載ってました。 私は海って聞いただけで血が踊る。三つ子の魂ってやつです。

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  8. キョーコ

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    テレサさん こんぱんは。 お褒めの言葉ありがとう♪  >私は海って聞いただけで血が踊る。三つ子の魂ってやつです。 テレサさんのお住まいは海のそばだっけね。 わたしも幼稚園の年中さんまで北海道の海沿いの町に住んでいたから、テレサさんと同じ。 水平線をみると、憧れにも似た感情がこみあげてくるのはやっぱり三つ子の魂かな。

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